桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

喜びを他の誰かとわかりあう! それだけがこの世の中を熱くする!

お題「○○担になったらこんないいことがありました!」

 

書かなきゃいけないものが山盛りあるのだけど、フォロワーさんが作ってくださったこのお題を盛り上げたいし、ちょうどあと30分くらい電車に乗ってるのでペロッと書きます。

 

NEWS担、小山担になって変わったこと、なにかあるかなぁ、と考えてみたけど特になんもなかった。例えばevery.を見るようになって政治や経済に興味が出た……とか、シゲの影響で映画を見るようになった……とか言ってみたかったが、さすがに30代も折り返しの年齢になるともう苦手なもんは永遠に苦手なのである。いくら好きな人が携わってるものでも、わたしは政治にいっさい興味がないし映画(洋画)は絶対的に苦手だし音楽も聴けない人間だ。ゆえにevery.も録画していない、そんな程度の徳の低いNEWS担小山担である。

 

変わったことは特にない。

でも、NEWS担になったことで間違いなく「こんないいことがありました!」と言えるものがひとつだけある。それは「Twitterのフォロワーが増えたこと」だ。

 

いや、誤解しないで頂きたいのだが、私はフォロワーをむやみに増やしたいわけではない。NEWS担になってしばらくは、私にNEWSを教えてくれた師匠以外ジャニオタの友達などいなかった。ジャニオタ1年生にしては年齢が高いという負い目もあって、特に誰かと関わるつもりもなくひとりでワーキャー呟いているだけだったし、それでよかった。

でもそのうちひとり、ふたりと仲良くしてくださる方が出てきて。リアルで会うようになって。次第にその輪が広がっていって。今ではたくさんの大好きなNEWS担(そこから更に広がってあらゆるグループ担)がフォロワーに存在するようになった。

もともと、ひとりで飲みに行ってその場で知り合った人と仲良くなるのが好きだったので、年下からおじいちゃんまで様々な世代、職業の友人がいるほうではある。とはいえ結婚してからは外で飲む機会も減り、普通に暮らしていたら新しい人間関係はそう多くは見つからない、もはやそんな年齢に差し掛かっていた。

 

なのに、NEWS担になったことで、高校生から年上のお姉様まで、ありとあらゆる年齢層の、ありとあらゆる性格の方々とたくさん出会えたのである。普通だったら出会わないくらい年齢の離れた若い人、価値観の違う人、遠くに住んでる人、ありとあらゆる人と、ただ「NEWSが好き」ということだけで知り合えた、その事実だけが私にとっては一番の財産だ。

 

なんの特技ももたない私は、今までの人生で唯一誇れることが「大好きな人間にたくさん出会えた」という、ただその1点なのだけど、NEWS担になったことでその誇れるものがもっともっと濃いものになった。

 

そのひとりひとりの方たちが、私の知らないものをたくさん教えてくれて、私の世界を広げてくれる。ジャニーズは勿論、ハロプロや、Perfumeや、乙女ゲームや、若手俳優や、コスメや、洋服などなど、私のTLは大好きな人たちの「好き!」で溢れていて、大好きな人が「好き!」って言ってるものはどうしたって嫌いにはなれなくて。世の中の嫌いなものがどんどん減っていく。世界がどんどん自分に最適化されていく。

それが私にとって一番の、NEWS担になってよかったこと。

 

アルバムのジャケットが発表になって、凄い!好き!おしゃれ!大好き!って皆でめちゃくちゃ喜んで、感動して、その気持ちを分かち合って。ほんとに幸せだなと思った。これからもずっとみんなで楽しくおたくやっていきたいし、きっとまた楽しく一緒におたくをやる人が増えていく。私の人生の宝物が、NEWS担をやっていたら、どんどん増えていくんだなー  楽しいなあ  

 

NEWSに、ジャニーズに、出会えた皆に、これから出会うみんなに、感謝。

ヒモにしたいジャニーズで打線組んだやで~

昨晩0時過ぎにトマトとかぶのマリネを食べながら酒を飲んでいたら、フォロワーさんからあるaskがRTされてきた。面識のない方の回答だったのでリンクは控えるが「NEWS4人の中で誰かをヒモにするなら誰がいいですか?」という質問に、慶ちゃんと答えているものだった。そのaskを拝読した瞬間とんでもなく興奮し、うめきながら即呟いたのがこちら。

 

深夜にも関わらず何人かで盛り上がっていると、あるフォロワーさんが「ヒモにしたいジャニーズで打線組みたい」と言い出したのでヨッシャやろう! と久々にブログ作成画面を開いた次第である。一部の読者の方には「おまえクリスマス締め切りの#にゅすほめ Advent Calendar 2016 - Adventarでコヤマスについて書くって言ってなかった? 1ヶ月遅刻してるけどアレどうなってんの?」と突っ込まれている気がするが、ちょっとだけ! ちょっと遊びで書くだけだから! ね!

あと打線てなに? って方はまあランキングとか10選みたいなもんだと思ってください。それからくれぐれも、以下に名前出す方のことを本当にヒモ体質のクズだと思ってるわけじゃなくて「こういうヒモ役やってるところが見てみたいな~」くらいのふんわりした空想遊びだよ!ってことだけご了承下さいませ。嫌な人はブラウザをそっと閉じてくれよな!

 

では今回の打線です。

 

1  (遊) 亀梨和也

2  (一) 錦戸亮

3  (中) 三宅健

4  (三) 伊野尾慧

5  (右) 菊池風磨

6  (左) 坂本昌行

7  (二) 岡本圭人

8  (捕) 大倉忠義

9  (投) 小山慶一郎

 

監督 二宮和也

 

【1番ショート 亀ちゃん】

 1番はやはり確実にヒットを打てる、誰からも共感してもらえそうな安定感、かつ華のあるこの方を。あの猫のようなしなやかさの四肢をソファにだらーっと投げ出して、襟の大きく開いたよれよれの部屋着で首筋を露にしながら気だるそうに「おかえりー」って言うところを想像してみて頂きたい。 まさにsample of ヒモ。夜なのに電気も付けず家主の帰宅を待っていて、おかえり~遅かったね、おなかすいちゃったよ。今日のごはんなーに? とか言ってくる。本当は料理がうまいのに作らない。ヒモだから。でもたまに家主の休日に気まぐれで何か作ってくれたりする。作れるなら私が疲れて帰ってくる平日に作ってほしい……と若干イラッとしつつ、「おいしい? よかった。いつも頑張って働いてるからお礼ね」と亀ちゃんに流し目で微笑まれると嬉しくてなにも言えない家主であった……

 

【2番ファースト  錦戸くん】

錦戸くんはオラオラ系ヒモ。亀ちゃんとはまた違ったパターンのヒモofヒモ。基本的に日中はフラフラ外を出歩いてパチンコへ行ってる。勿論資金は家主の金である。帰って来るなり、夕飯を作る家主をゆっさゆっさしながら「あかんわぁ、今日めっちゃ負けてもうて今月の小遣い足りひん。2万でええから財布に足しといてぇな」と甘えてくる。ため息をつきながら今回だけだからね、と返すとニコ~~~~っとして「ありがとう~やっぱ○○優しいわぁ」って喜ぶのである。その笑顔が可愛すぎるのでATMと化してしまうのも仕方ない。

ある日昔の彼氏に貰ったピアスをまだ持ってるのがバレて、なんで他の男から貰ったもん捨てへんねん!って朝からめちゃくちゃ怒られて喧嘩になったまま仕事へ。そんなこと言ったってアンタは私に何もくれないじゃん……と思いながら帰宅すると、机の上に露店で買ったようなやっすい500円くらいのピアスが置いてあるの……しかも家主が好きな色のピアスなの……。缶ビール転がしてぐうぐう寝てる錦戸くんの寝顔を見ながら、やっぱ好きだなぁ……と思ってしまう家主であった……

 

【3番 センター 三宅くん】

オールマイティーヒモ。ヒモとしての特性を全て兼ね備える万能タイプ。たまに友人の仕事を手伝ったり単発バイトなどで小遣い程度のお金は自分で稼いでくるが、基本的に衣食住は家主任せ。甘えた声と甘えた顔で寄りかかってくるときもあれば、定期的にスイーツを買ってきてくれたりマッサージをしてくれるなどフォローも忘れず、優しいしまあいいか……みたいな感じでいつまでも関係が続く。本来物凄く能力が高いため、仕事の愚痴などこぼすと驚くほど的確なアドバイスが返ってきたりする。そういうことがある度、実はこの人頼りになるんだよなぁ……一緒に住むには心強いから離れたくないな……と思う家主であった……

 

【4番  サード  伊野尾くん】

いやもう誰が選んでも4番でしょう。

顔、目線、体型、雰囲気、話し方、全てがキングオブヒモ。

私はほんとに伊野尾くんにはジルベールが似合うと思ってるので……  「欲しいものも買わないなら金なんてクソ食らえさ!」って伊野尾くんに言ってほしいじゃん……? 
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【5番  ライト  菊池風磨

風磨くんは束縛野郎のヒモがいい。忘年会シーズンで会社の飲み会が増える家主に「また飲み会~~?」ってめちゃくちゃ不機嫌になって舌打ちする風磨くん。なんとか説得して飲み会に出席するものの、ガンガンくるLINE。『まだ?』『腹へったんだけど』『カップラーメンどこにあるかわかんねーし』『てかそこ男いるんでしょむかつく』『二次会とか行ったらマジ切れっから』 もーいい加減めんどくさい、勘弁してよ~と思うんだけどなんだかんだ気になっちゃって飲み会も全然楽しくないので、体調が悪いと言って早めに抜けて帰路を急ぐ。すると最寄り駅でフードかぶって鼻を赤くして待っている風磨。寒いのにわざわざ迎えにきてくれたの? ごめんねでもちょっと早く帰って来たよ、と言うとギュ~っと抱き寄せられてボソリと「……ありがと」って呟く声が聞こえて、あぁちょっと息苦しいときもあるけどやっぱりこんなに愛してくれるこの人とは離れられないな……と思う家主であった……

 

【6番 レフト  坂本くん】

ひとりくらいオジサマのヒモを入れたくて打順に組み込んだダンディー担当ヒモ。ヒモというと、若い男の子がそこそこ年齢のいったお姉さんに寄生する、というイメージがあるけど、超色気のある40代のオジサマがいつでも家にいる、って凄いドリームじゃない……? 

坂本くんは小説家目指してみたり作曲家目指してみたりコロコロ夢が変わるタイプで、若いときから女の子の家に転がり込んでは転々として……を繰り返している。今は発明家になるといってなんらかの特許を狙おうとしているが発明品が完成する気配はない。家事は全て完璧にやってくれ、料理も毎日作ってくれる。時々ふらっと出掛けては、どこからか高級食材やワイン、ブランドものの服などを貰ってきて、それを家主にふるまってくれたりもする。結婚制度に縛られたくない、と言って結婚はしてくれないが、定職についてないだけで主夫としては完璧なので、別に結婚できなくてもこのままでいいか……と思ってしまう家主であった…… 

 

【7番  セカンド  けいとりん】

けいとりんはヒモというより、記憶を無くしているところを保護したい。ある日困った顔をして座り込んでいる圭人に声をかけると、自分が誰なのか、どこから来たのかもわからないらしい。英語と日本語が混ざる話し方を聞いて「外国から来たのかな」と思ったりする。警察に届けようとするが嫌がられ、行くところがない、としょんぼりしているのをほっとけなくて、つい家に連れて帰ってしまう。住所が無いと仕事見つけるのも大変だから、しばらくここにいていいよということになり、「Sorry」「ありがとう」を繰り返し言う圭人。素直で優しい青年との穏やかな生活が始まる。ある日家主が聞いていた古いロックアイドルグループの曲に反応し、「僕、ギターが弾けた気がする……誰かに教わってた……」と呟くが、最後までは思い出せない。「でも僕、このまま記憶が戻らなくてもいいかな、ってちょっと思ってるんだ。ここにいると楽しいし幸せだし……僕、家主さん好きだよ」

そう言って照れたようにはにかむ圭人の頭をそっと撫でながら、いつか記憶が戻ってこの子がいなくなったら私はその喪失感に耐えられるだろうか、と泣きそうになる家主であった……

 

【8番  キャッチャー 大倉くん】

バイト先の居酒屋で知り合って仲良くなり、付き合うように。次第に家主の家に入り浸るようになり、彼はバイトをやめ、立派なヒモに。私もフリーターの身で生活がいっぱいいっぱいなんだから、あなたも働いてよ! 家賃半分だして!せめて自分のごはんは自分で確保して! と怒ってみても、え~~家主ちゃんのごはんが食べたいんやもん~~と可愛く言うだけでのらりくらりかわしてくる。売れないバンドでドラムを叩いており、いつか売れてオマエのこと養ったるからな、というのが口癖。

数年後、家主が何気なく手にした雑誌に「今注目のインディーズバンドの父はあの実業家!」という記事が。そこで大倉くんが大手飲食チェーンの御曹司で、本人も株やら土地やらたくさん持っているという事実を初めて知る。

私なんかに集らなくてもお金持ちだったんじゃない…… なんでよ……と脱力しながら問い詰めると、「なんでって、家主ちゃんと一緒におりたかったんやもん。それに親父の金やなくて、俺がちゃんと自分の実力でつかんだ地位と財産持って家主ちゃんにプロポーズしよ、て決めてたから」と答える大倉くん。そんなこと言われたらもう何も言えないじゃんずるい……と、結局メロメロな家主であった……

 

【9番 ピッチャー 慶ちゃん】

今回ブログを書いたきっかけである。慶ちゃんは顔もヒモっぽくないし、なんたって皆ご存じ平日キャスターであるから、我々の目に映る姿はヒモっぽさから最も遠い印象だ。だからこそ、もしも働かないクズのヒモだったら……? という想像は無限の可能性がある。ギャップの玉手箱やで~~~~

慶ちゃんは普通に大学の友達とかで、全然付き合ったりしてないんだけど飲み会終わりにたまたまふたりになって、もー終電ないなーどうしよーって言うので、家近いけどソファでよければ寝ていく? って何の下心もなく誘うのよ。そしたらわーいって着いてきて、そのまま何事もなく朝になって、おれ二日酔いだから大学休む~~ってぐずぐずしてるから、あっそうじゃあ出ていくときは鍵ポストに入れて帰ってね、って伝えて大学行って帰宅したらまだいるわけ。ねー家主ちゃん今日もごはん食べに行こうよ、その前にシャワー借りていい?  とか言い出して、結局その日も帰らなくてそのまま居付いてしまう。

1週間めくらいでさすがに、ねえねえ慶一郎くんいい加減帰んなくていいの? と聞くと「なんで?」という答え。「なんでって……だいたい、付き合ってもない女の家にずっと住んでたらおかしいでしょ」「んー、もう付き合ってるってことでいいんじゃないの」「えっ」「だって家主ちゃん、もう俺のこと好きでしょ?」「えっえっ」「俺も家主ちゃん好きだよ、このまま一緒にいようよ」

居着いたものの大学にもほとんど行かず、家主の家を拠点にフラフラ遊びに行く慶ちゃん。部屋の掃除だけは積極的にやってくれるけど、一晩帰らないと思ったら明らかに女物の香水の匂いをぷんぷんさせながら戻ってきたりする。まあそういう……クズです……。そんでもう今日こそ追い出そうと思い、酔っぱらって帰って来た慶ちゃんを怒鳴ろうとしたら「ただいま~ねえこれ家主ちゃんにおみやげ~えへへ可愛いでしょ? あとね、エクレアも買ったの!」ってポワンとした顔でニコニコされるの……。おみやげってこれどうみてもUFOキャッチャーでとったぬいぐるみだろ……どうせ連れの女にいらないっていわれて持って帰ってきたんだろ……あとエクレア好きなの私じゃなくてアンタだし……と思いながらも、慶ちゃんの笑顔が可愛すぎて、くそ~~~~好きだ~~~~顔が好きだからどうしようもないわ~~~と悶える家主であった……

 

 

以上です。色々許してください。ヒモはファンタジー。

あ、監督は個人的にヒモが似合うと思うジャニーズ殿堂入りの二宮さんでした。

人生に行き詰まったアラサーがロザンというお笑い芸人に出会って救われた話

この記事はしきさん(@shikishaa)主催の「おたく楽しいAdvent Calender 2016」参加エントリです。

www.adventar.org

 

ちなみに去年も参加していて、男子大学駅伝のことを薄っぺらい感じで書きました。

tounoin.hatenablog.com

 

今年も参加できて嬉しいです!! 僭越ながらトップバッターをつとめさせて頂きます。今回のテーマは、疲れたアラサーがお笑い芸人「ロザン」に出会ったお話と、ジャニオタにおすすめしたい、その魅力について。

 

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その頃の私はなにもかもに行き詰っていた。

 

新卒で入った会社を4年目で辞めて転職した会社は超絶ホワイトで、オフィスには常に産休育休の人がいるくらい女性が働きやすく、かつ業績も右肩上がりの上場企業だった。人間関係にも恵まれ、こんなに良い会社はない、この会社にずっと勤めて結婚出産を経て定年まで安定した生活を送りたい、と心から思っていた。しかしどうにもこうにも仕事内容が自分には全く向いておらず、常に常に薄い氷の上を歩いているような気持ちだった。自分のミスで会社に大きな損害を与えてしまう…という夢を見て汗びっしょりで目覚め、定時ギリギリで会社へ行く日々。

もうすぐ20代が終わってしまう。目の前が真っ暗になるほど仕事が出来ないのに30代になってしまう。せめて誰かに必要とされたい、という焦りから、数年来の恋人――今の夫であるが――に鬱々と仕事の愚痴をぶつけ、「結婚して欲しいオーラ」を出すことで彼からも完璧に嫌われ、別れを告げられ、それでもすがりついていた、そんなある日のことだった。

 

いつものように足の踏み場も無い汚部屋へ22時頃帰宅し、床に散乱するマンガや服を足で蹴散らしてまずパソコンの前へ行き、電源を付ける。ファーン、というMacの立ち上がる音を聞きながら着ていたものをそのへんに脱ぎ捨て、テレビを付け、音量をごくごく小さくし、コンビニで買ってきたサラダとビールをごそごそと取り出す。立ち上がったPCからニコニコ動画に接続。酒を飲みつつ、深夜までかけてランキング上位50個くらいの動画をくまなくチェックするのが日課だった。私は音楽を聴かないかわりにBGMとしてTVのバラエティを流す習慣があって(人がいっぱいざわざわしている音がすると安心するのだ、居酒屋のように)、その日も同じようにTVをBGMとして流しニコニコ動画に集中していた。

 

なぜTV画面を見たのかわからない。とにかくふと目をやると、アメトークが始まるところだった。

「愛方大好き芸人」というテーマで何人かの芸人さんが出てきた。キャイーンのウドちゃん、おぎやはぎ矢作さん。オードリー春日さん…は、M1でブレイクした人だよね。Qちゃん…はエンタ?最近流行らしい1発ネタで有名になった人だっけ…。ん、ひとりだけ知らない人がいるな。でも見たことあるな、誰だっけ。

ぼーっと見ていたらその名前のわからない人は「すがちゃん」と呼ばれていた。相方は「宇治原」だという。

ああそうだ、ロザンだ。あの、京都大学出身の。クイズ番組でちょっとありえない賢さを見せていた記憶がある。へー、相方あまり東京で見たこと無いけど、仲良しなんだな。

 

 菅「うーちゃん、めっちゃ賢いでしょ? クイズ出てる時のあいつ、めっちゃ賢くないですか? あと、みんな注目してないんですけど、間違えた時がぁ… めっちゃ可愛い♥」

 

 うわ、かわいい。この人かわいいな!

はにかみながら相方をかわいいと褒めている人がめちゃくちゃかわいかった。ちょっと溜めてから肩をすくめて「…めっちゃ可愛い」と言ったその声色と表情が完璧にかわいかった。

 

これは今日面白そうだな、とボリュームを上げる。

先に出ていた面々は2人がけのラブソファーにひとりで座っていて、相方を呼ぶと出てきてくれて隣に座るという。まずハイキングウォーキングのQちゃんが、相方の松田さんを呼ぶ。愛情を全面に出して喜ぶQちゃんに、戸惑いながら出てくる松田さん。次がロザンの番だった。菅さんが「うーちゃん!」と呼ぶと、満面の笑み(ものすごいドヤ顔にも見える)で登場し、菅さんに手を振る宇治原さん。

 

宇治原「我々けっこう相思相愛なんで。実際どっちが先に(スタジオに)出て、どっちが呼んでもよかったんですよ」

 

開口一番なんだそれ。なに言ってんだ。いやネタなんだろうけど(次に出てきたオードリーやおぎやはぎは完全に仲良し仲良しコントのていで演技っぽくキャーキャーしていたし)それにしてもなんか…なんか違う…この人たちの空気感、なんでこんなに優しいんだろう???

その後もそれぞれのコンビのトークが続いていく。ロザンが喋る度にときめきが止まらない。お互いを褒めあうふたり、目線を合わせて笑う姿。優しい。画面が優しい。高校時代のエピソードを語りだすロザン。同級生だった高校時代いつもふたりでお昼ご飯を食べていた。ある日菅さんが風邪で休んだので、次の日「お前、お昼ご飯どうしたん?」と聞いたら宇治原さんは「クラブのメンバーと食べたよ」と。

 

菅「内心ちょっと嫉妬してたんですよ。ああ、クラブのメンバーと食べんねや、と。食べるんかい、と。でも、あとあと噂で聞いたらぁ、宇治原がぁ…ひとりで食べてた、って(笑顔)」

 

この瞬間会場が「ヒェー!?」って言ったのだけど私もテレビの前で「ひええ」って声に出した。生ハムサラダを食べていた箸が完全に止まった。

 

菅「あー、って。キュン!って! ああそうなんや、やっぱりそうなんやな、って」

宮迫「ごめんやけど、お前らってどう思われたいの?w」

宮迫さんに突っ込まれてもふんわり笑うだけのロザン。

 

菅「そんでまあまあ、進路決めるときに、僕がずっと一緒にいたいんで、一緒に居れる仕事ってなんや、ってなったら漫才師で。んで、(宇治原は)賢かったから、漫才師になったときにウリになるから京大入れや、って(僕が)言ったら、京大に入ったんですよ」

蛍原「そうなの!? 漫才やろうってのが(京大入るより)先なんや!?」

宇治原「高3の時に、菅が漫才やろうって言い出して、んで京大入ったらって言われたんで、じゃあお前が言うんやったら勉強するわ、って」

菅「で、誘った僕が一浪したんですよw」

 

菅「でも1年間待たすのあれじゃないですか。芸人っていうのもあれかな(無理かな)って思ってたら、『1年待つよ』って」

宮迫「…ただの恋愛やん、なんなんそれ」

菅「いや、ただの恋愛ですよだから」

 

 

 ニコニコしているふたりがあまりにもかわいくて、なんだか胸があたたかくなった。

いいコンビだなあ、いいものを見たなあ、という気持ちでその日は寝た。

翌日、相変わらず苦手な仕事をしながらふと昨夜の2人の姿を思い出す。「ロザン」「仲良し」で検索。それが沼への大きな落とし穴だった。

まだその頃はTwitterがあまり普及しておらずブログが全盛期だったのだが、ロザンについて書いているブログはそれほど多くはなかった。それでも、熱心なファンの方が何人かいて、関西の番組や昔のライブのレポを見つけることができた。そこに書かれていたのはアメトークの比ではない仲良しエピソードの数々だった。ファンの方は皆一様に「アメトークはちょっとキャラ作ってたね(笑)」「普段の素の姿の方がよっぽど仲良し(笑)」と落ち着いている。マジかよ、私が衝撃をうけたあの姿より仲良しってどういうことだよ!

その「普段の姿」とやらを見てみたくて、動画検索してみた。すると「ロザン仲良し動画集」というものが出てきた。

今はもう消えていて見ることができないのだが、それはロザンが関西の番組で見せている色々な場面を編集したものだった。そこには本当にほほえましい2人の姿があった。いつも目を合わせて楽しそうに笑い、ボケては笑い、突っ込んでは笑い、共演者から「あんたらホンマ仲ええな!」と苦笑いされている。

なんという幸福感。なんだこれは。しかもかわいいだけじゃない、面白い。ロケが本当に面白い。ネタも面白い。

一心不乱に動画やファンブログを見続けること3日。当時の自分のブログにアメトークが面白かったこと、特にロザンに惹かれてたまらないことを書いたら、リアルの友人しか見ていなかったブログにコメントがいくつかついた。「はじめまして! 私もアメトークでロザンを見て、それ以来気になって検索したらここにたどり着きました」と見知らぬ方々が口を揃えて言うのだ。

 

そこからはもうあっという間だった。DVDを買い集め、そして現場に行った。知れば知るほど好きになっていった。リア友しか見ていないただの日記だった私のブログは、気がついたらロザンファンブログとして毎日毎日長文を更新し、私と同じようにロザンに落ちた人たちがたくさん見てくれる場所になった。

 

これをご覧頂いているジャニオタの皆様は、こうした「何かにハマる時」のことをよくご存知だろう。しかし私はこれまで、芸能人にここまで熱を上げたことがなかったのだ。もともとお笑い芸人が好きで、雑誌を買ったりしていた時代はあったがいわゆる「茶の間のファン」であり、ライブに行こうなどという発想自体がまずなかったし、ジャニーズや俳優の「おっかけ」をしている人をどこか馬鹿にしてすらいた。

それなのに、今までの価値観が全てひっくり返るくらい好きになってしまった。

ロザンはいつ見ても笑顔で、お互いを信頼しているように見えて、見ているだけでこちらも幸せな気持ちになる。彼らを見ているときだけは、うまくいかない仕事や恋愛を忘れて没頭することができた。癒された。私にとってそこだけが逃げ場所だった。

ロザンが出演する、となればどこへでも観に行く生活が始まった。もちろん仕事はしているので全てというわけにいかないが、軽率に新幹線や夜行バスに乗って現場へ向かう。恋人の影響でサッカーのサポーターをしていたため、遠征をする素地はできていたが、TVの中の人を追いかけてこんなことをしている自分が信じられなくて不思議な気持ちだった。

結局この経験がのちにジャニオタとなる土台を作ったので、本当にロザンが私の人生に及ぼした影響ははかりしれない。というより、ロザンを追いかけたことで、最終的に転職や結婚が決まるところまで繋がっていったので、人生が変わったといっても過言ではないのだがそれについてはまた後半で語ろうと思う。

 

なぜそこまで彼らにのめりこんだのか?

ここからは、私の愛するロザンのジャニオタ向けおススメポイントを記していきたい。

 

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【おすすめポイント1.スペック】

まずまったくロザンをご存じない方に、おふたりの簡単な紹介を。

 

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■向かって右側   宇治原史規(うじはら・ふみのり)さん(1976年4月20日生まれ)

ツッコミ担当。めちゃくちゃ頭が良くてクイズが出来る人、ということで関東の方でもご存知の方は多いだろう。京都大学法学部卒。賢さイメージが先行しているが実は運動神経も抜群で、よしもと陸上(ジャニーズ運動会のよしもと版みたいなもの)では走り高跳びで3連覇していたり、跳び箱18段を軽々跳んだりしている。スタイルおばけ、でもなで肩。関西では目がくぼんでいるとかブサイクとかでいじられることが多かったが、実はすごくかっこよくて何をしていてもセクシーなため、私を含め熱狂的なビジュアルファンもたくさんいるよ! あと手が非常に美しい。すごーく落ち着いていてクールな印象だけど、ネタではけっこう激しめにキレてまくしたてるような役を演じることが多く、頭の回転が速く知識量が膨大なためツッコミの反応と言葉選びが秀逸。ふとした表情やしぐさがめちゃくちゃかわいい。既婚。

 

■向かって左側  菅広文(すが・ひろふみ)さん(1976年10月29日生まれ)

ボケ担当。ネタは菅さんが作っている。背が小さく(162cm)とにかく顔がカワイイのでいつまでたっても老けない「奇跡の40歳」。関西ではずっと単独で大阪ガスのCMに出演しており、すがちゃん、すがちゃんと可愛がられている、ロザンの「カワイイ」担当だが性格はものすごく合理的で、理屈に合わないことにはズバズバ切り込んでいくため、後輩からは「吉本で一番怖い」と恐れられている。関東の民はあまり菅さんに馴染みが無いため、私のように最初「うわっかわいい!」と思ってファンになり、のちのちその怖さと賢さと頼もしい性格を知り余計はまって抜けられなくなる人が多い。その反面とても天然で、バスの中で寝ぼけて宇治原さんの靴を履こうとしたり(宇治原さんが既に履いている上からぎゅうぎゅう足を突っ込んでこようとする)するなど、やっぱり可愛さの塊。左利き。相方のことを書いた小説を出版している作家先生でもある。(後述)

 

 芸人なので見た目は関係ないのだが、それでもロザンの2人はビジュアルのバランスが非常にいいことが、ジャニオタの皆様にも自信をもっておススメできるポイントだ。マイクを挟んで立った時にこの上なく美しい比率となる、15センチという身長差も素晴らしい。

ロザンのトークライブにゲストで来た後輩芸人が2人のことを「清潔感のかたまり」と評していたことがある。まさにその通り、おふたりともスタイルを維持されていて、スーツでもカジュアルな服装でも体系にフィットしたものをピシっと着こなしている。そのスマートで好感度の高い見た目は朝やお昼の情報番組にぴったりで、関西では数々のレギュラーでお茶の間に親しまれている。

ジャニーズが情報番組に出るのと同じで、やっぱり「さわやかで好青年」って大事な要素かと。

 

 【おすすめポイント2.賢い】

これはもう全国の皆様ご存知だろう。勉強の知識が多いことが前面に出がちな宇治原さんであるが、立ち振る舞いや発言を見ていると「本当に地頭から賢いのだろうな…」と感服する。例えばずっと出演していた朝の情報番組(NEWS担おなじみ羽鳥アナの番組)では政治的なニュースも毎日のように扱われていたが、いつでも偏りの無い中立的なコメントをされていた。鋭く切り込むところと一歩離れるところのバランス感覚が非常に優れている点も大好きなところだ。

菅さんも同じように賢いが、菅さんはとりわけ発想力に優れている。定期的に開催しているトークライブでゲストの後輩芸人から悩み相談をされることも多いのだが、菅さんはいつも理論的、かつ大胆なアドバイスを送って共演者を驚かせている。
菅さんが以前「自分は0から1を作るのが得意なタイプで、宇治原は1を100にするのが得意」というようなことを仰っていたが、まさにそれぞれ得意な分野で賢さを発揮し、そしてお互いを補っているコンビなのである。

これは完全に私の偏見なのだけど、はてなブログを読んでるようなタイプのジャニオタって色々な意味で「賢い」人のことを好きな気がするので、そういう意味でもとてもおススメできるかと。

 

 【おすすめポイント3.面白い】

声を!!大にして言いますけど!! ロザンは面白いんですよ!!

 ロザンのネタは品がある。そして芸暦的にももはやベテランの域なので落ち着きと安定感がある。漫才は知的でやわらかく、しかしながら菅さんの持つブラックな風刺が織り交ざっていて、老若男女誰にでも通じる笑いだ。コントは作家業もこなす菅さんの真骨頂という感じで、ストーリー性があるので見ていてわくわくさせられる。また菅さんの組み立てたストーリーを演じる宇治原さんの、表情豊かで縦横無尽な立ち振る舞いは「クイズの宇治原さん」しか見たことが無い人が見たら驚くことだろう。

関西の人にはピンとこないかも知れないが、日常でのロザンの露出がない関東でロザンを見る機会は、宇治原さんがクイズに出演する時くらいである。たまにYahooニュースなんかに載ったりすると、クソコメの温床Yahooコメントには必ず「ネタを見たことが無い」「賢いかもしれないけど面白くないから芸人失格」みたいな書き込みが現れる。

おまえが!! 見たことないだけだろ!!! だいたいネタ番組が無いこのご時世でじゃあどんだけの芸人の「ネタをみたことがある」のか教えてくで!

…と、ね。言いたくもなるけどまあ仕方ない。

せめてジャニオタさんがひとりでもネタを見てくれたらいいなーと思いながらこれを書いている。

 

ロザンのネタを見る方法は大きく分けて3つある

 

①劇場へ行く

関東の方なら新宿ルミネにある「ルミネtheよしもと」、関西なら「なんばグランド花月」などで毎月漫才を披露している。関西の番組レギュラーの都合で、新宿ではたいてい木曜日が出番となっている。詳細は各劇場のスケジュールをご確認いただきたいが、直近では12月8日(木)に14時の部、16時の部、夜公演の3回出演予定である。その日の公演はロザンの他、ダンソン♪で有名になったバンビーノや、あたりまえ体操COWCOW次長課長など皆様が良くご存知の芸人も多数出演される。

そんな豪華なメンバーのネタが見られるのに、昼の2回は前売りならなんと2000円なのだ。

 ジャニオタの皆様には「お笑いオタは現場がいっぱいあって楽しいよ! しかもチケットが安いよ!」と全力でお伝えしたい。

私はロザンにハマるまでお笑いの現場に行ったことがなかったので知らなかったのだが、劇場で披露されるネタは、実は基本的に数種類の鉄板ネタの繰り返しである。(それまでは、新ネタをどんどんやるのかと思っていた)

なので何度も通っているうちに全部のネタを覚えてしまい、冒頭からストーリーとオチがわかった状態で見ることになる。それでも全盛期は、1日3回公演あったら全て入っていた。「同じネタを見るのに3回も行くの…?」と友人に言われたりしたこともあったが、ジャニオタの皆様ならわかって頂けるだろう。できるなら全ステしたいじゃないですか…?

 

確かに、ジャニーズのコンサートと違って、ルミネなどで行われている通常のネタ公演は10分ほどの持ち時間でネタをするのみなので「MCが違う」という旨みがあるわけではないのだが、同じネタでも毎回毎回、間合いだったりテンションだったりが違うものなのだ。特にロザンは他の芸人と比べても比較的アドリブが多く、ツカミでその日のお客さんをいじってみたりと必ず毎回変化がある。個人的に大好きなのが、ネタ途中で2人のうちどちらかがアドリブで何か発言し、それをお互い面白がってどんどんやり合って最終的に本気で笑っちゃう2人…という図だ。文章では伝わらないのでとにかく見て欲しいと言うしかないのだが、ロザンの漫才はそういうちょっとした場面でも仲のよさが伝わるシーンが多くてほっこりする。

 

また、ネタではないが新宿では2ヶ月に1回トークライブを行っており、そこでは2人のフリートークをたっぷり見ることができる。前述の、後輩の悩み相談に答える姿がみられるのもトークライブ。

ちなみに次回は12月17日(土)19時から、チケットもまだございます。2500円で1時間半もロザンが見られるよ!

 

その他関西で定期的に開催している「ロザンの日本向上委員会」(こんな法律があったらいいな、というオモシロ案をゲストの方々と出し合う)というライブなど、本当に色々な舞台に立たれている。ジャニーズも現場が一番楽しいように、お笑いもナマモノである現場が一番。ぜひ1度観に行って頂ければ幸いだ。

 

 ②DVD

そうは言ってもいきなり現場に行くのはハードル高いよ…とお思いだろう。わかる。

そんな皆様にはまずDVD。買ってくださいと言いたい所だがそれもハードルが高いので、とりあえずレンタルしてみてほしい。

そう!! ジャニーズと違って!!! お笑いのライブDVDはレンタルがあります!!!!


(私はNEWSにハマった時、ジャニーズのライブDVDを探して毎日TSUTAYAに寄っていた…レンタルが無いなんて知らなかったんや…)

 

・ロザンの08ベスト

 

ロザンの08ベスト+ [DVD]

ロザンの08ベスト+ [DVD]

 

 

私がファンになった2009年には、ロザンのネタが見られるDVDはこれ1作しかなかったのでほとんどのセリフを覚えるほど繰り返し見た。デビューから毎年新ネタを披露する単独ライブを行っており、これが初めての映像化となる。まずはこのDVDから見るのがおススメ。

ネタはコントのみ。コントとコントの合間にブリッジVTRが入っており、ロザン2人が宇治原さんの運転で思い出の地を巡るドライブが収められている。この映像がファンの間では「ドライブデート」と呼ばれているほど仲のよさが伝わってくるものなので、絶対に見て頂きたい…ほら…NEWSもさ…ドライブしてるところ可愛かったじゃん…コヤシゲとか…あんな感じです…。ていうかロザンは基本コヤシゲだと思ってくれたらいい。

 

 ・ロザンの14ベスト

 

 

 デビュー以来毎年行われていた単独ライブが、例のアメトークがあった2009年頃から東京での活動が増えたからか、はたまた菅さんの執筆活動が忙しかったのもあるのか、理由は不明だが2008年以降はなかなか開催されなかった。2011年に待望の単独があったのだがなぜかDVD化されず、実に6年ぶりの映像化となったのがこちら。

08ベストと同じキャラクターが出てきたりもするので、できれば是非合わせてご覧頂きたい。

個人的には特典映像で入っている「どどん波(東京Ver)」というコントが一押し。

東京、大阪と2回行われた公演の中で大幅な変更を加えられたコントなのだが、DVD収録日ではなかった東京バージョンがあまりにも素晴らしく、是非DVDにして欲しいというファンの要望が届き、記録用の映像ではあるが特典として収められた。菅さんならではの伏線の張り方が秀逸。

こちらにもブリッジとしてドライブする映像がついてくる。

今回も普通にデートしている。2人で水族館に行ってはしゃぎまくります。(そしてはしゃぎすぎて宇治原さんがあるものを無くす)

 

・ロザンのトーク(1~4)

 

 

 

 

 

 

 

 

前述した、新宿ルミネで2ヶ月に1度行われているトークライブのダイジェストを収めたもの。

菅さんが宅配業者にキレたり、宇治原さんがタクシー運転手にキレたり、選挙の予想をしたりする。笑えてためになるトークの数々を是非。仲のよさがめちゃくちゃ伝わってくる。もしトークライブ行ってみたいな~という方がいらしたら、予習としてどれか1本見ておくと雰囲気がつかみやすいかも! 

 

・WEST SIDE「STORY」

・WEST SIDE「LIVE at Zepp Osaka E・Y・E」

 

WEST SIDE: story [DVD]

WEST SIDE: story [DVD]

 

 

 

これは既に正規では購入できない上、おそらくレンタルにもないため中古で購入するしかないのだが、ジャニオタの皆様にこそ是非ご覧頂きたいものなので載せることにした。

 

2001年、島田紳助氏の関西ローカル番組で、吉本の若手芸人で男前を集めて、歌って踊れるユニットを組ませようという企画があった。のちに同氏司会のヘキサゴンから生まれた「羞恥心」などの先駆けである。この企画で選ばれたのがランディーズ、まだデビュー間もないロザン、キングコングであった。

「WEST SIDE」と彼らは名付けられ、元シブガキ隊のフックンが初代プロデューサーとなり、デビュー作は関西オリコンで2位となるなどまたたく間に関西圏ではジャニーズに勝るとも劣らない人気となる。写真集発売、ライブ開催など完全にアイドルとして活動していた当時は、芸人なのに容姿で評価されていることに積極的でなかった部分もあったという。実際キングコングなどは、本職であるお笑いのライブでキャーキャーの声援が酷すぎてなかなかネタが始められないという状況に陥ったりもして、複雑な思いを抱えていたそうだ。またお笑い芸人がアイドル化することに批判的な層もたくさんいて、何をかくそう当時東京芸人が好きだった私も(なんかよしもとでアイドルまがいのことをしてる芸人がいるらしいけど、いけすかない)と思っていたひとりだった。

しかし時を経てロザンに出会い、かつて馬鹿にしていたWEST SIDEのDVDを見て、若い頃の自分を恥じた。どんな仕事だろうと真剣に取り組む人たちの姿がそこにはあり、それはとても美しかった。そしてまだあまり売れていない若手芸人だった人たちが形はともあれ知名度を上げるチャンスを得たことは本当に素晴らしいことだなと感じた。

「Story」は彼らがWEST SIDEとして選ばれデビューし、ライブをするまでのドキュメンタリー。今まで経験の無かったダンスや歌に苦戦しながらも取り組む姿はまぎれもなくアイドルである。

「EYE」はそのライブの模様。セットも簡素だし、ダンスもできていないし、ジャニーズで目が肥えている方々にはとても拙く見えるかもしれないが、それでもスポットライトを浴びて歌う彼らは美しいのだ。

このあたりのことは1年程前にaskにも書いたのでこのへんで。

ask.fm

ちなみにこの「Story」、リンクを貼ったAmazon中古のお値段はご覧の通りだが、私が2009年に購入した金額は18000円である。ちょうどアメトークで私のようなファンが爆発的に増えて一時的に値段が高騰していたタイミングだった。でもどうしても見たかったんだ…わかるだろ…ジャニオタよ…

 

以上、最後「面白い」というおススメポイントからはだいぶずれてしまったが、ロザンのネタを見る方法その②である、DVDのご紹介であった。

 

 

ググる

まああまり大きな声じゃ言えないけど、ググると動画が出てくるので、とりあえず1、2本でもネタを見てもらえるといいなって…。ちなみにおすすめは「奇跡の草」というコント。
あと関西ロー…ごにょごにょ…番組も…ごにょごにょ…ロケとか面白いよ…ごにょ…

いやほんとネタも勿論だけど、関西で出ている番組が最高に素敵なんだ…。
ちちんぷいぷい」という番組で、道に迷っている人を案内するコーナーは長年の人気コーナー。菅ちゃんが適当な英語で外国の方と強引にコミュニケーションをとるのが人気。

「よ~いドン」という番組の金曜コーナー「関西ワーカー」では、いろんな仕事をしている人をロザンが紹介する。職業体験みたいなことをする姿も見られて楽しい。

大阪ほんわかテレビ」の「ロザンのあんたはコーデねーと!」というコーナーは、視聴者からの依頼で、素人さんをメイクやコーディネートで変身させる。宇治原さんが変なダジャレ言ったりしてかわいい。

ロザンファンをやるにあたって一番の難点は露出の地域格差…強く生きる…。関ジュ担ってこんな気持ちなのだろうか…。
あ、あと関西といえば関ジャニさんのジャニ勉にロザンが出たときのもめちゃくちゃおススメです……探せば…でてくるので…ごにょりごにょり

 

ごにょごにょしか言えないので以上。

 

 

【おすすめポイント4.仲良し】

冒頭から散々言った、私がロザンに落ちた最大の理由。

単に「仲良し」という言葉では言い尽くせない。そう、この2人は運命のシンメと言った方がジャニオタの皆様にはわかりやすいかもしれない。

シンメが嫌いなジャニオタいる? いないよね? って前提で話を進めることにする。

 

そもそも2人が芸人になった理由が「ずっといっしょにいたいから」というのだから、もうしょっぱなから完敗だ。高校の同級生で、親友で、でも卒業して別々の進路に進んだらいつか疎遠になってしまうかもしれないから。じゃあ一緒に出来る仕事ってなんだろう、って考えたら芸人だった、と。ロザンが芸人になった経緯、芸人になってからの経緯は菅さんの著書「京大芸人」「京大少年」に詳しいのでよければ是非読んで頂きたい。

 

・京大芸人

 

京大芸人 (幻冬舎よしもと文庫)

京大芸人 (幻冬舎よしもと文庫)

 

 

 

・京大少年

 

京大少年

京大少年

 

 

 

僕は以前から考えていたことを宇治原にぶつけた。
「芸人なれへん?」
宇治原がグラスを置いて言った。
「は?」
あたりまえの反応だった。
それまで芸人になるという話どころか、芸人の話もしたことがなかった。
二人とも大阪以外で育った環境もあり、お笑いには疎かった。

(中略)

「おまえとしゃべってるの楽しいし、このまましゃべってるのが仕事になったら一番いいやん?」
僕は思った。
(我ながらなんて幼稚な理由やねん!)
しかし宇治原からもっと幼稚な答えが返ってきた。
「そやな。やろか?」
宇治原の目を見てみると、冗談を言っているようには思えなかった。
僕は思った。
(えーーーーーっ、やるんかい!!! おまえ賢いし、いっぱい選択肢あるやん!! 弁護士でも医者でもやることあるやん!!!)

――「京大少年」p43、p44

 

芸人の道へと宇治原さんを誘った時のことを、菅さんはこう記している。 

菅さんは転校を繰り返し、友達と離れる寂しさから「別れるのが辛くなるから、最初からあまり仲良くならないでおこう」と考える幼少時代を過ごしている。そしてようやく親御さんの転勤がなくなり「親友をつくろう」と思えるようになってから出会ったのが宇治原さんだった。

お笑い芸人がその道を志したきっかけは「モテたいから」「テレビに出たいから」「人を笑わせることが好きだから」「お笑いが好きだから」など様々である。

しかしお笑いのことなど全く知らない、言ってしまえばそれまで全く興味がなかったのに、親友と一緒にいたいというだけでその発想は突飛すぎる。ふたりでしゃべっていれば楽しいからいけるだろう、なんて菅さんがセルフ突っ込みしているように幼稚なようにも思えるが、芸人になろうと誘った流れでそのまま「だから宇治原は京大に入ってや」というところまで指示をする。

ジャニーズも高学歴化しているように、今でこそ高学歴の芸人が珍しくない時代であるが、当時は有名大学を出ている芸人は稀であった。現役京大生という肩書きがあれば売りになる、そんなところまでこの時点の菅さんは将来像を描いていたのだ。

先日コヤシゲがラジオで「今はジャニーズも、アイドル以外にアピールポイントがないと生き残るのが難しい」というような話をしていたがそれは芸人も似たようなもので、医師免許を持っている人がいたり、元料理人だったり、編み物がめちゃくちゃうまかったりとバラエティに富んでいる。菅さんはこの時代に先駆けて「学歴」という「芸」を身に付けるという先見の明があったといえるだろう。

 

そして菅さんの思惑通り宇治原さんは京大に合格。

しかし大阪府立大学を受験した菅さんは不合格となってしまう。

 

 

僕は家に帰り、宇治原に電話した。
落ちた報告と芸人にはなれないことを伝えるためだった。自分から1年で受かろうと言っといて、1年待ってくれというのはあまりにも虫がよすぎると思ったからだ。

「もしもし、菅やけど」
「おう」
「あかんかったわ」
「ははは、そうか」
「とりあえず1年予備校に行くわ」
「了解、ほんなら1年待っとくわ」
「…何を?」
「え? 芸人になるんやろ?」
「……おう!!」
「ほんなら1年後な」
「おう、1年後な!!!」

電話を切った。すこしの時間、受話器を見ていた。そして僕は思った。
(えーーーーーーっ、待つんかい!!! あいつ、ほんまにアホちゃう!!! よう京大の法学部受かったで!!!)

 ――「京大芸人」p131,p132

 

 引用して書き起こしていたら泣きそうになってしまった。

超進学校においても宇治原さんの成績はトップクラスで、なろうと思えば医者だって弁護士だってなれる人だった。ご家族も代々優秀で立派な職業に就いている家柄である彼が、ひとりの親友の、成功するかどうかもわからない誘いに屈託なく応えるこの絆はなんなのだ。

菅さんが浪人している1年間、連絡はほとんど取らなかったという。宇治原さんはチャラついたサークルに入って大学生活を謳歌していたそうだが、それでも1年後にまた会うということについて不安はなかったという、確固たる信頼感。

実はこの間に宇治原さんから手紙を送ったことがあり、昔(2000年)ライブで菅さんの宝物ということでその手紙が披露されたという話がある。実際に自分が見たライブではなくファンの間で語り継がれているだけのエピソードなので真偽のわからない都市伝説のようなものだ、ということを念をおしつつ、その手紙の内容を紹介するとこうだ。

「菅へ

勉強頑張ってるか?

大学の勉強より、お前とお笑いの話してるほうがやっぱり楽しいわ。

待ってます」

 

繰り返しになるが、本当にこの手紙が存在したかの真偽は不明(ロザンクラスタの皆様ではっきりしたソースをご存知の方がいたら教えて下さい……)である。

しかし、とにもかくにも、宇治原さんは菅さんを信じて待っていて、菅さんは宇治原さんが待っていてくれていることを信じて勉強した。

そして晴れてふたりとも大学生となり、デビューを目指すことになる…。

 

ここからデビューまでの苦労は是非「京大芸人」を読んで頂ければと思う。

苦労してデビューした翌日から、彼らは「現役京大生と府大生のお笑いコンビがデビュー!」と新聞の紙面を飾ることになる。「学歴が売りになる」という菅さんの目論見は見事的中したわけだ。

 

デビューしてすぐの映像を見たことがある。それは何組かの若手芸人が次々にネタを披露し審査され、優勝者を決めるという番組だった。まだ後藤さんとコンビを組む前の現フットボールアワー岩尾さんや、中岡さんとコンビを組む前の現ロッチコカドさんなども映像の中にいた。ロザンのふたりは今のように笑顔ではなく、緊張した面持ちで、特に切羽詰まったような菅さんの顔が印象的だった。険しい、神経をはりつめて警戒をしている野性動物のような表情。

「京大少年」を読むとその頃の菅さんが必死だったことがわかる。自分が宇治原さんを芸人の道へ誘ったという責任感。芸人をやることを家族から大反対されていた宇治原さんが認められるには、なんとしてでも売れなければならないというプレッシャー。そういうものが表情に現れて鋭利なナイフのようだった。

今、ふたりとも穏やかな表情になって、ふんわりした笑顔でなめらかに漫才をしている姿を見ていると、ほんとうに素敵な関係のコンビだなぁと胸が暖かくなる。ふたりはどんなに年月が経ってもずっとお互いを尊重している。親しき仲にも礼儀あり、を体現しているような方々。

 

ジャニーズの「シンメ」がジャニーさんの采配である日突然組まされるのとは違って、芸人の「相方」は自ら選ぶことができる。ロザンのようにもともと友達からコンビになる者もいれば、事務所内で何度も解散と結成を繰り返す者もいる。仕事以外の話はしないという芸人も多い。関係性は千差万別だが、活躍しているほとんどのコンビはそれぞれの絆と愛情があるように思う。その中でどの芸人さんの絆に惹かれるかもまた人それぞれだろう。私は多分、ここまであげてきたビジュアルや賢さ含めたスペック、面白さ、そしてお互い思いやりあっていることが伝わってくる絆の強さ、どれが欠けてもロザンに落ちることはなかっただろうと思う。

なんだか真面目なことばかり書いたが、もし興味を持って頂いたシンメ萌えの方がいたら是非ロザンの仲良しエピソードを検索してみてほしい。若い頃は特にキャッキャしていた…

・「相方の嫌いなところは?」という質問に宇治原さん「僕のこと好きすぎるところですね~」

・酔っぱらって大阪の繁華街のど真ん中を「うーちゃん好きや~ うーちゃん大好きや~~」といいながら歩く菅さん

・罰ゲームでコンビ同士でキスをすることになり、他の芸人が嫌がる中あっさり「やりましょやりましょ」と言ってすんなりキスする宇治原さん

・相方の首にしがみついてぶら下がるというゲームの最中、宇治原さんにしがみつきながらずっと耳元で「好きやろ? 好きやろ?」とささやく菅さん

・宇治原さんが幽霊にとりつかれた、というドッキリにひっかかり「こういう(芸能の)世界にいるからそういう悪いものを寄せてしまうんちゃう? しんどかったら芸人辞めよ?」とあっさり言う菅さん。宇治原さんと一緒にいたくて芸人になったのに、宇治原さんが辛いならあっさり辞めようってさぁ…

・そしてドッキリでしたー、と明かされても怒ったりせず、だましてた宇治原さんの演技がうまかった、お前すごいなぁーと褒める菅さん

・毎年誕生日プレゼントを贈り合う。ボケには走らず相手が喜びそうなものをお互いガチで選ぶ

・菅さんの誕生日に電子辞書を贈り、俺もイロチのオソロで買っちゃった♥とライブの観客に自慢する宇治原さん

・かわいいと評判の後輩芸人を上から下まで眺めて「ガチで言うたら、菅のほうがかわいい」と言い放つ宇治原さん

・菅さんがキレたエピソードが大好きで、トークライブの度にちょうだいちょうだいとねだる宇治原さん

・DSでドラクエをはじめてキャラの名前を「うじはら」と「すがちゃん」にする菅さん

・「うじはら」の装備が面白いから見て見てといって舞台上でDSをのぞきこみ爆笑するふたり(当然観客からは見えない)(観客はそんなふたりが微笑ましくてニコニコ)

・道案内のロケで菅さんがトイレに行っている間に道に迷ってる人を発見し、「菅ちゃん…菅ちゃん帰ってきて…」と不安げに弱々しく呟きながらひとりで案内する宇治原さん。菅ちゃんが戻ってくるとかけよって腕をとり「菅ちゃん~(´;ω;`)寂しかったよぉ」「ひとりでやったん?」「ひとりでできたよぉ」

・テレビの企画で菅さんがスネアドラムを練習することになり、不器用な菅さんが頑張って上達した姿を見て感激し「もうええ……」と半泣きで抱き止める宇治原さん。「俺の知ってるお前やない…… 俺の菅ちゃんどこやったんや~!(´;ω;`)」

……いくらでも書ける……キリがないのでやめておこう……

とにもかくにも、本当に素敵なふたりなんだよ! という気持ちが少しでも伝わればうれしい。

 

運命じみたエピソードをもうひとつだけ。ロザンというコンビ名について菅さんは以下のように説明している。

コンビ名を決めるときに、ちょうど『聖闘士星矢』という漫画の話をしていて、その漫画にでてくる必殺技の名前から適当につけた。

――「京大芸人」p168

「ロザン」を数字表記すると「63」と表せるので、ファンは勝手に6月3日をロザンの日といって祝っており、菅さんもTwitterで言及したりするので63という数字は半オフィシャルみたいな存在だ。

そんなロザンの誕生日は、宇治原さんが4月20日、菅さんが10月29日。

全部の数字を足すと4+20+10+29=63となる。

偶然なのか、ひょっとしてひょっとしたら意図的だったのか。

私たちには窺い知ることはできないが、こういう運命っぽいお話はどの世界のオタクも大好きなのである。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【終わりに】

ロザンに癒しと逃げ場を求めた仕事のできないアラサーだった私は、いくらロザンに癒されようが幸せな気持ちをもらえようが、行き詰まっていることにかわりはなかった。閉塞感がピークに達した頃、ロザンのインタビューがhitoikiという雑誌に載るという情報を得てネットで購入。会社からの帰り道、歩道橋を登りながらTwitterをチェックすると、一足先に雑誌が届いたファンの方が、紙面の一部を少しだけ紹介していた。そこに載っていた画像を見た瞬間、わけがわからないくらい涙がボロボロこぼれた。

せきをきったように自分の中のすべての感情が溢れだして、まだガラケーだった携帯を握りしめながら、歩道橋の上でしばらくわんわん泣いたらスーっと落ち着き、思った。

「ああ、仕事やめよう。やめればいいんだ」

ストン、と何かが胸の辺りに降りてきた気がした。

 

ガラケーの小さな画面には、天空のような場所の眩しい光の中に立って、どこか遠くを見つめているロザンの後ろ姿が写っていた。そしてその横に「僕らは、『芸人になるために』京大を目指した」という見出し。

賢くて、なろうと思えばどんな職業だって選べたふたりが、世間体やリスクなんか気にせずに芸人になった。「芸人ならへん?」「そやな、やろか」という潔さで、ポーンと飛び込んだ。その清々しいふたりが見つめている方向の先は光で溢れていて。

ふたりに比べてなんの能力もない私が、なにを無理して「安定」にしがみつこうとしてたんだろう、と思った。彼らのように、光に溢れる方角を見つけられるかはわからない。だけど少なくとも今いる場所にずっといても、闇しかないことはわかっていた。闇の中の光であったロザンという存在に、なんでわざわざそんなところにいるの? と言われているような気がした。

 

そうして私は会社を辞めて、別の方向に進み出した。正社員ではなくバイトや派遣でフラフラと働くだけなので収入は激減したが、憑き物が落ちたようになった私を見て恋人が「お前もやっと変わったんだな」と言った。なにがなんでも結婚したいという気持ちが消え失せ、前に進む姿勢が戻ってきたことで、私のことを見限っていた恋人と結果的にうまくいくようになり、のちに結婚することとなった。

収入が激減したことでロザンの現場にはあまり行けなくなった。以前のように雑誌をたくさん買ったりもできなくなった。定期的に新宿でやっているトークライブと、時々ネタライブを見に行くだけ。でも、もうそれでじゅうぶんだった。地方まで追いかけなくても、録画を逃しても、私がロザンを好きであることはもうゆるがないという落ち着いた気持ちだった。

 

それから約6年。相変わらず貧乏で不安定でダブルワークをしないと暮らせないけれど、夫とふたり、毎日楽しい日々を過ごしている。ジャニオタになったきっかけを作った友人はもともと私のロザンブログの読者で、ロザンをきっかけに知り合った人だ。「ジャニオタになった梓さんが見てみたいな~」と言って彼女が見せてくれた映像のおかげで私はNEWSを知り、NEWSファンになったのをきっかけに、今こうしてこの企画に参加してブログを書いている。NEWSに関してもゆるいスタンスで、自分に合った距離感で楽しむことができている。

 

熱心になにかを好きになること。その好きなものに夢中になって時間やお金を費やすこと。それを「無駄なこと」と言う人もいるだろう。

だけど自分が凄く凄く好きになったものは、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれたり、自分に良い影響を与えてくれることもたくさんある。

あのとき会社を辞めた選択肢が正しかったのかはわからない。ロザンによって動いた人生が最良のものなのかはわからない。だけどロザンが私を明るい方向にひきずりだしてくれて、また歩き出せたことは、「無駄ではなかった」ことだけは確かだ。

 

誰かが何かを好きなことには理由があって、きっとその誰かにとっては無駄ではない、意味のあること。それは必ずなにかに繋がっていく。

これからクリスマスまで続く「おたく楽しい」を拝読し、たくさんの人の人生に存在する「意味のあるもの」のかけらを発見することを楽しみにしている。

 

 

 

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画像は、私の人生を変えた写真。

 

写真家 阿部了さんという方の作品で、以前はHPに載っていたのですが画像が既に下げられているようでリンクが貼れず。でもどうしても紹介したかったので、保存していたものを貼らせて頂きました。

 

脳内でNEWSと合コンをしてみた

askにご質問頂いたのですが調子のって書いていたら文字制限にひっかかって投稿できなかった上、タブレット上ではコピーも保存もできないため、やむなくスクショにて投稿致します……  読みにくくて申し訳ありません。

「小さくて読めないよ!」というようなことがあればご一報下さい。気力あるときにタイピングし直します。

 

ask.fm

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君の名は

午前中座ってるだけの仕事中でめちゃんこ眠いので、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくる。

 

名前が呼べなくなってしまった。

いや、正確には呼べる、というか無意識に口から「こやまさん……」って漏れてしまう程度には呼んでいる。真夏日に「あつい」と呟くような感じで。

Twitterでも小山さん小山さんと書いている、が、口にしたり書いたりするだけでみぞおちのあたりがキュウっとなるようになってしまった。

 

小山慶一郎、なんて美しい名前だろう。小山 一郎というシンプルすぎる字画の中に挟まれた「慶」が全体のバランスを整え品格を生み出している。敬でも啓でもだめなんだ、小山と一郎のあいだは慶でしかない。以前からこの名前の文字列については本当に愛していて度々話題にしていたのだけど、今は「こやまけいいちろう」という音を頭の中で再生するだけでしんどくなる。

どういう風に呼んでもしっくりこない。自分などがその音を発声しているのが申し訳ないような気持ちになる。君をあらわす単語が尊くて愛しくて息が震える。喉から息を吐き出して「こ」、ささやくように「や」、上唇と下唇が出逢って「ま」。上の口蓋に舌が触れて「けい」、前歯の裏をタップして「いち」、そっと舌をおろして「ろう」。

 

だめだ、分割して書いているのにもかかわらず、この胸の痛みはどうだ。私は中学生に戻ってしまったようだ。先生に恋をしていて、黒板に文字を書く後ろ姿を授業中見つめていたときの気持ちに似ている。そういえばあのときも名前が呼べなかった。先生のことを愛称で呼ぶ生徒もいたけれど、私は先生、としか呼べなかった。

女子生徒が先生の下の名前をふざけて呼ぶと、先生も乗って「なんだよ、○○」とその子の下の名前で呼び返す、という遊びが一時期流行ったことがあって、私は何日も何日も「やってみたい……でも恥ずかしい……でも先生に下の名前で呼んでもらいたい……」と悶々としたのを思い出す。結局勇気を出して数回実行した。ちなみに録音した。今でも実家のどこかに「ねえ、○○」と私が先生の名前を呼び捨てにし「なんだよ、梓」と返してくれている声の入ったカセットテープがどこかにあるはずだ。ええドン引きしてくれてかまいませんよ……性根がキモオタなんだ……罵ってくれ……

 

24時間テレビ以降私の中の15歳文系軟派純情少女が地獄から甦ってしまったので、小山さんの名を呼ぶともじもじしてしまう。慣れるしかないのだがなんと呼ぶのがまだダメージが少ないのか、ここのところずっと模索中だ。

 

『小山さん』

シゲちゃんやてごちゃんの発する語尾上がりの『こやまさん↑』はなんだかよっぽど親しくないと発音できない気がするので、一般的な『こやまさん↓』で。これが一番無難なのだろうが少し寂しい気がする。年下である小山さんに「さん」を付けるのは物凄く他人行儀というか……いや人生が交わることはほぼ100パー無い正真正銘の他人なんだけども……心はもう少し近いところにいたいというか……小山さんを好きという私の気持ちをもっと込めたいんだ! 自分の気持ちに寄り添いたいんだ!……おそれ多いって言ったりもっと寄り添いたいって言ったり支離滅裂だけど……私にも意味がわからないのです……

 

『慶ちゃん』

一番スタンダード。ずっとこれで呼んでた。多分リアルな友達でもこう呼ぶ人が多いと思われる。

これはね……完全に私の問題なんですけど……わたし歴代彼氏も夫も「名前一文字+ちゃん」で呼んでるんですよね…… だからなんか……彼女面しんどいみたいな……気分に……なってきちゃって……

でもこうやって改めて考えると、こやまさんのかわいらしさ愛らしさも詰まった良い呼び方だな。さすが本人が「みんなのダーリン慶ちゃんだよ」とか言うだけある。そうか、ダーリンなんだから彼女面してもいいのか。でも!! 今の私にはしんどい!! 慣れるしかないのかぐぎぎ~~~

 

『小山くん』

あっだめ。一見ふつうだけどこれだめ。私の中の15歳が「ちわっすー」って出てきちゃう。

小山くんはねー、隣のクラスにいる生徒会長なんだよ。同じクラスになったことないから他の女の子みたいに「小山ぁ~」とか呼べないの。廊下ですれ違うと、あ、小山くんだ。今日もかっこいいなぁ、って惚れ惚れするの。んである日委員会の用事とかで生徒会長に話しかけなきゃいけなくなって、隣のクラスに行って「小山くんいる?」って聞く。彼の名前を人に伝えるだけでドキドキしながら。目も合わせず用件だけ伝えてそれでおしまい。修学旅行で恋バナはじまって友達に「誰が好きなの?」って聞かれても恥ずかしくて「小山くん」って言えなくて「え~特にいないよ~  まあシゲは気が合うからよく遊んでるけど、好きとかじゃないしなぁ」とか返しちゃうんだよね。実はシゲにだけは小山くんのことが好きって打ち明けてるから、私が発声する「小山くん」という名前を一番聞いているのはシゲ。

急に何言ってんだ????? 架空のキャラクターみたいにしてちゃかしてないと「小山くん」という文字のもつ甘酸っぱさ切なさに私の中の15歳がMAJIでKOIしちゃうからだよ!!!!!

 

『慶くん』

あっもっと無理。ちゃかせないくらい無理。名前だけで恋しちゃうからやめとく。

 

『慶一郎さん』

あーーーーーーーーー

 

私の場合、名前+さんで呼んでる人って、義理のお兄さんか友達のご主人くらいしかいないかもしれない。既婚じゃん。知り合いにあんなかっこいい既婚者いたら頭おかしくなっちゃうわ。不倫だわ。不倫はよくないから解散解散!

 

 

がんばっていっぱい名前を書いた結果、一周回って元に戻って「慶ちゃん」と呼ぶのがなんだかんだ一番精神がおだやかなのではという結論がでた。慣れるまで慶ちゃんと連呼して自分を痛め付けていこうと思う。

 

 

ところで昨日9月15日はNEWSの結成13周年記念ということで、たまにしか描かないイラストを描いたのだけど、慶ちゃん描きながらめちゃくちゃしんどくなったのは予定外だった……  えっ! たいして似てもいない自分の絵で!? しかもチビキャラ風にデフォルメした絵で!? 嘘でしょ!? って愕然としながらブルブル震えて描いた……。誕生日に画像見ながら描いたときはなんともなかったのに! 今回なんか時間なくて脳内イメージの顔思い出すだけで描いたのに!  えーっと目が切れ長で…… 右目がやや二重で……って脳内の画像引き出すだけでうわっかっこいい無理しんどい、ってなった……。

 

まずは名前の克服。そして次に画像の克服。慣れるまでの道は険しく長い。

 

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小山担から新たな小山慶一郎担当が爆誕した話

定期的に遊んで貰ってるはるひさん(id:b-haruhi)がここ数週間「しんどい」しか言わなくなった。

honeybeat3941.hatenablog.com

 

はるひさんと同じ日にえびコンに入っていたので、開演前お会いして「はるひさんえびでは誰担なんですか?」「いや~まだえびは特定の人がいないんですよね~顔はとっつーが好きなんだけどな~」なんて会話をしていたのだけど、まさか一晩でこんな感じになるとは、と、しんどいbotと化したはるひさんのTwitterをニコニコ眺めていた。

 

が。

 

他人事だと思って笑っていたのに、時を同じくして私もしんどさを発症して夜な夜なうなされるようになってしまった。しんどさを発症、ってなんだよその日本語って感じだが、今まで平気だったものが急につらくなったので「発症」というほかない。

たちが悪いのが、はるひさんのように新しい「好き」を経験して痛みを感じているのではないという点だ。

小山担を名乗るようになって約1年半。

自担である小山さんを見るだけで胸がズキズキする病を発症してしまった。今さら! 今さらだよ!!! 今さらすぎるのがそもそもしんどい!!!!

 

今までだって好き好きかわいいかわいくてつらいって言ってたじゃん、と皆に突っ込まれたが、違う、違うんだ今までとは。ただ何が違うのか自分でもまだ理解できていない。だから言葉にもできない。でも今までより圧倒的に苦しい。小山さんのことを考えると苦しい。しんどい。

今までからの変化といえば、なぜか「慶ちゃん」と呼ぶのがしっくりこなくなった。Twitterでは変わらず慶ちゃんと書いているけど、そんな友達のような愛称を口に出すのがしんどくなってしまった。小山さん。小山さん。小山さん。ああ、もう小山さんと呟いてみるだけで胸が震える。メモ帳に「小山慶一郎」とペンで書いてその文字列にしんどくなったりしている。お金のかならない自傷行為

 

同じ「好き」という気持ちなのに、その「好き」がどう変化したのかは説明できないけれど、いつ変化したのかははっきりわかっている。24時間テレビ、よさこいだ。

 

思えば24時間テレビを前に土壌がジワジワと固まっていった感はある。

番宣ラッシュで露出が増えれば当然NEWSのことを考えている時間が増えるので、8月は本当にずっとずっとNEWSで頭がいっぱいだった。そこにきてあの騒動、からの代役決定。

代役の報を聞いたときの気持ちは、事件が事件なので「うれしい」という感情ではなかった。あまりにも時間がなかったのでパーソナリティ間で代役を探すのは当然だろうと思ったし、これが増田さんでもてごちゃんでもきっと彼らは引き受けただろう。なんなら髪を染めたって引き受けただろうと思う。小山さんだけが特別メンバー思いなわけではなくて、小山さんじゃなきゃいけなかったわけではなくて。

そういう気持ちを全部ひっくるめて、ただひたすらにNEWSが好きだ、小山さんが好きだと思った。あらゆる「愛」という概念がそこに溢れていて、それを一番世間にわかりやすい形で背負うことになった小山さんが眩しくて、もう本番前からすでにいてもたってもいられなかった。

 

24時間テレビの日は、仲良くして下さっているフォロワーさんが何人か家にきてくれて、みんなで見守った。

ドラマや歌、パーソナリティとしての立ち振舞いなどについての感想は書くとキリがないのでここでは記さないが、毎分毎秒ごとにNEWSへの「好き!」が更新されていった。

 

そしていよいよその時がやってくる。

よさこいパフォーマンス。

 

練習風景をまとめたVTR中、目の見えない女の子が落とした鳴子をサッと拾って渡してあげている人がいた。

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一瞬の出来事で、顔もうつらなかったので一緒に見ていた友達が「ねえ今の誰!? シゲかな?」と言ったけど、私は見た瞬間「慶ちゃんだ……」と思った。でも口に出せなかった。あまりにも好きすぎて。

その後のカットで、やはり小山さんだったことがわかり頭を抱えた。

 

知ってる。知ってる。小山さんがこういう人だなんて知ってる。

24時間テレビ直前の「月曜から夜ふかし」でも、まるでスタッフのようにマツコさんにおしぼりを渡す小山さんを見て「好き!」ってなったから知ってる。

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(体勢を低くして徹底的にカメラの邪魔にならないようにするスタッフっぷり)

 

今までも小山さんのこういう気配りがサラッとできるところが大好きで大好きで、でも同時にそれが小山さんの怖さだとも思っていた。大好きだけどこわい。私はどうしようもなく小山担だけど、小山さんのことが一番苦手だと思っていた。気がきく、優しいという場面を見る度に、なぜだか複雑な気持ちになっていた。小山さんて本当に優しいのかな……って、不安なような、おびえのような。

 

でもこのよさこい前のVTRは今までのように「こわさ」を感じなかったのだ。

動きのひとつひとつが、あまりにも自然で、あまりにも優しくて。

膝をふわっと叩いて、相手が持ちやすい角度で鳴子を渡す様子を見て、自分の膝にその手の体温を感じたような錯覚をおぼえた。

ああ。

あたたかい人だ。わたしはなにがそんなにこわかったのだろう。

好きな人のこんなところを見てしまったらこの好きはどうなってしまうのだ。

 

「好き」をもてあまして動揺を抱えたままよさこい本番。

 

そこには、全員のリーダーとして音頭をとる小山さんがいた。

 

それを見た瞬間、私の中のなにかがぱちんと音を立てて変わった。

 

「赤い実はじけた」という本をご存じだろうか。その昔、教科書に載っていた、思春期の女の子が初恋をする話。その本の中で女の子が恋をした瞬間のことがこう記されている。

『急に胸が苦しくなってきて、とたん、胸の中で、赤い実がはじけたの』

 

完全にはじけた。赤い実がはじけた。36年間生きてきて、私は初めて赤い実がはじける音を聞いた。

 

 

小山さんはリーダーとして4人を代表して喋ったりすることは多くあるけれど、NEWSのエースはてごちゃんだから、なんとなくこういう場面ではてごちゃんが中心になるようなイメージがあった。「後ろから支える」と本人がよく言っているのもあって、小山さんが前をぐんぐん引っ張って先頭に立つ姿はあまり想像したことがなかった。ヨシノリ先生を後ろからそっと見守っていた榊さんのように。

だけど小山さんが中心にいた。あれだけの大人数の音頭をとり、声をかけ、指揮をしていた。

 

私の好きな人が、ものすごくたくさんの人が見ている、ゴールデンタイムの大舞台で、真ん中にいて、すごくすごくかっこよくて、優しくて、光に包まれていて。

番宣やドラマからコップにジワジワと注がれていた「小山慶一郎大好き」という水がついに溢れたような感覚におそわれた。ヘレンケラーが「ウォーター!」と叫んだ時って多分こういう気持ちだったんじゃないかというような。

 

 

今までも小山担だったが、今までとは違う。

ウォーターと叫んだヘレンケラーが目覚めたように、新しい小山担が目覚めたのだ。

 

何が今までと違うのか。前述した通りそれはよくわからない。

ただあれ以降、小山さんを見るだけではちゃめちゃな気持ちになるようになった。

 

この前の変ラボはしんどいの極みだった。小山さんが夏野菜を抱いていた。まるでシャワーを浴びたてのような濡れ髪で夏野菜に覆い被さっていた。

今までも勿論小山さんのことをえっちだとか色っぽいとか思っていたけれど、ただ妖艶で美しいものを見つめてため息をもらすような心持ちであり、増田さんに感じるような「オス」を感じていたわけではなかった。それが急に生々しく見えるようになってしまって戸惑っている。小山さんて男なんだ……と胸をかきむしっている。これを読んでくれている方は「30半ばの既婚おばさんが性欲をもてあましててキモい」と思うだろうか。性欲はさほどないし困ってもいないつもりだったが性欲なのだろうかこれは。そう思われるならそれでもかまわない。とにかくはちゃめちゃな気持ちになる。

 

小山さんの眉毛がしんどい。少し困ったような眉間と、薄くも濃くもない均一な生えかたの眉毛が愛しすぎてしんどい。普段厚い前髪で覆われているその眉毛があらわになる時、つるんとしたおでこもセットでむき出しになるのがしんどい。生え際の産毛がぽよぽよしてるのがかわいくてしんどい。

右目の二重、左ほほの薄いほくろ、カッサカサのことが多い唇、きゅっとあがった口角、下のガチャ歯、裏側まで真っ白な歯、笑うとハートになる口、すべすべの肌、長い手足、小さなおしり。

どれもこれも、今までだって本当に好きだった。でも今はひとつひとつが私の心をえぐってきて、姿をみるだけでうっすら涙すら出てきてしまう。

動いているところを見ると、ああ、生きてる……。と拝みたくなる。生きて生活している人間なのだ、神様ではない。ただ生きているということを考えるだけで苦しい。

私が今こうしてお茶を飲んで文章を書いている間にも小山さんは生きていて、ロイヤルミルクティを飲んだりドーナツを食べたりしているのだろうか。あの口で、あの手で。私はドーナツになりたい。夏野菜になって抱かれたい。現世の私はブスすぎるのであんなにかっこいい人の視界にすら入りたくない。その綺麗な網膜に私などを映さないでくれと思う。だから小山さんに食べられる野菜とかスイーツとかになりたい。小山さんが使うボールペンのインクでもいい。消耗品がいい。消費されたい。

いややっぱり贅沢をいうと、小山さんの家のお気に入りのお猪口になりたい。江戸切子で素敵なデザインの。このお猪口お気に入りなんだ~、って大事そうに触ってもらいたい。そしてあのくちび……くちびるが…… 無理だ、私がお猪口だったら小山さんの口が近付いてきたら割れてしまう。やっぱり直接口をつけない食器にしよう、皿にしとこう皿。とにかく綺麗な物品として小山さんの網膜に映りたい。なに言ってるかわからないでしょう、私もわからない。ただただ小山さんを思うと甘くて苦しくてしんどい。

 

ここまで書いてきてふと思ったのだが、このしんどさはもしかして「リア恋」というやつなのだろうか。

いや~~~~違うんだよな、小山さんに恋人がいたり結婚したりするのは全然嫌じゃないもんなぁ。しばらくはしんどいしんどいと言いながら、この気持ちがうまく説明できるなにかになるのを待つしかないのかもしれない。

 

しんどいけれど、このしんどさの中にいることは幸せで仕方がなくて、しんどさの海にどんどん溺れていく。そのうちうまく泳げるようになるだろうから、今はこのままでいい。