桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

中学3年生になって加藤先生に恋をしたい

今日、Twitterのフォロワーさんの間で「もしNEWSが先生だったら」というテーマで盛り上がった。手越先生はサッカー部の顧問がいいねとか、まっすー先生は結婚指輪してるけどプライベートの話はしてくれない。とか、いつものようにわちゃわちゃと妄想してとても楽しかったのだけど、その大喜利のようなものをブログに書こうぜ!という話になっていざ新規記事作成画面を目にすると、私の書こうとしているものは少し重いというか、気持ち悪いものであることに思い至った。

いつものTwitterのノリで「小山先生は現社の先生で、手越先生は英語で」と4人それぞれについてポップでハッピーな創作をしたい気持ちもあるのだが、今回はとても乙女でむずがゆい「先生を好きになってしまったアタシ」という観点の妄想を書く。そして、私は小山担ではあるけれど、この妄想の相手はシゲちゃん以外に当てはまらなかったので、表記のタイトルの通りになった。

もしかしたら夢小説とか妄想垢とかいわれるもの(私はそういうものがすごく苦手なのだが)に近いのかもしれない。なのでそういうの苦手だよーって方は気を付けてください。たぶん読まないほうがいい。便宜上、生徒役を「少女」としたのでより一層夢小説感がでてしまっているので、あの、ほんと、すみません。

あと舞台は中学校です。なぜなら高校生だと恋愛の話題がそれなりにリアルになってしまうから。中学生というお子様が、子供過ぎて思いがかなうはずもないお子様が、本気で先生にあこがれる、その姿を描きたかった。

そういう形式になった理由は最後に書きます。では、ご了承いただけた方だけ、以下。

 

 

 

 

加藤先生は新卒採用で「少女」の通う中学校に赴任してくる。大学を卒業したばかりなのでまだ22歳。現国の先生である。

少女は中3にあがったばかりの14歳。生徒会役員の優等生で友達も多く、校内カーストでいえば最上位にいるような子。本人もそれをどこかで自負していてプライドも高い。

若くて見た目もかっこいい加藤先生を見て、女生徒たちは色めきだった。すぐに皆がとりまき質問攻めにするが、緊張しているのかほとんど笑顔もなく質問の回答もぶっきらぼうである。少女はそれを「人見知りなのか? 初々しいな~」と少し冷めた上から目線で眺めていた。

季節は梅雨へと移り変わる。いつまでたってもさほど心を開かない加藤先生。男子生徒とはそれなりに楽し気に話していたりするが女子生徒と話すときはガチガチの敬語で、「苗字+さん」呼びをかたくなに守り、笑顔もあまりない。現社の小山先生とはなぜかとても気が合うらしくいつもつるんでいる(どうやら休日にも一緒に出掛けたりしているらしい)ので、次第に「男性のほうが好きなのでは?」という噂が出て、最初のうちキャーキャー言っていた女子生徒たちも興味を失っていった。

大多数が興味を失っていくのと反比例して、少女はだんだん加藤先生のことが気になっていく。あの人はなんであまり女子と話してくれないんだろう? どんな話をしたら笑うんだろう?

少女はプライドが高かった。先生が望むなら知的な話もついていけるし対等に話すことができるという根拠のない自信があった。その他大勢でなく「加藤先生が認めてくれる生徒」に、自分ならなれる。なりたい、と思った。

廊下ですれ違うたび、用事があって職員室へ行くたび、少女は加藤先生に話しかける。加藤先生が好きだといった本をすぐに読み、次の日感想を伝える。

「もう読んだの? すごいじゃん」

ずっと敬語だった先生が、いつの間にかくだけた話し方をしてくれるようになっていた。ずっとクールな表情だった先生が、くしゃっと笑ってほめてくれた。

今度は好きな曲を聞いてみた。加藤先生は少女が知らない海外バンドの名前を口にする。うーん、知らないです。こんど探してみますね、と返した翌日、廊下で呼び止められる。

「これ、きのう言ってたCD。よかったら聞いてみ」

夜中、自室にこもってCDを聞きながら、ケースを抱きしめてみる。当初の目的であった「先生に認められる生徒」にもしかしたらなれたのかもしれない。オーディオから流れてくる音楽の良さは正直わからない。だけど少女はもうどうしようもなく先生に惹かれている自分を感じていた。と、同時に、そんなわけはない、これはただのあこがれだ、と自分に言い聞かせてもいた。

 

夏休みに入ると当然、学校の先生とは会わない日々が続く。高校受験のための予備校と自宅を往復する毎日の中で、少女は毎日加藤先生のことばかり考えていた。ある日、予備校へ向かう道中、部活でランニング中の同級生たちが横を走り抜けて行った。その最後尾に、自転車で伴走している加藤先生。

「あ」

「あ」

一瞬で遠ざかる加藤先生の背中。から、右腕があがり、ちょっとだけひらひらと手を振ってくれるのが見える。

ああ、好きだ。これはもう認めざるを得ない。加藤先生のことが好きなんだ、わたしは。

気づいてしまってもどうにもならない気持ちに絶望しながら少女はずっとその背中を見つめるしかなかった。

 

新学期。

「お久しぶりです」

「夏休み中、いっかい会ったな」

「夏期講習へいくところだったんです」

「そっかー。塾かー。大変だなあ、中学生は」

「そんな大変じゃないですよ。先生のほうが毎日忙しくて大変そうです」

「中学生ってさー。3年生って何歳だっけ?」

「今年15歳になる歳です」

「そっか、若いなーいいなあ、俺も15に戻りてえなあ。あーでも、君がハタチになっても俺28か。まだ若いな! そう考えるとそんな変わんねーな、はははっ」

 

わたしがハタチになるまで待っててくれますか?なんてセリフが喉まで出かかるが、少女はそんなことは言わない。自分は中学生であり、生徒であり、好きだなどと伝えることは許されないと思っているからだ。そもそも待っててほしいとも思っていない。相手にも自分を好きになってほしいなんてそんなおこがましいことは考えられない。そんな変わんない、なんて先生は軽く言うけれど、中学生と社会人は子供と大人だ。同じ8歳違いでも、せめて私が高校3年生だったらこの恋はもう少し現実味を帯びたのかな。と少女はぼんやりと思う。

 

卒業まではあと、秋と冬の季節を残すのみ。少女は、いち生徒として、少しでも加藤先生との思い出を多く作ることだけを考えようと決めた。

加藤先生は少女の気持ちに早い段階で気づく。その上できっと、何食わぬ顔をして、さりげなく思いやってくれる。加藤先生はそういう優しさをもっている。

 

「その辞書いいな。俺もポケットサイズのが欲しいんだよな」と少女が持っている辞書を指さして呟く加藤先生。同じようなのもうひとつ持ってますから、よかったらこれ使ってください。と少女はそれを加藤先生にプレゼントする。

次の日から加藤先生は、授業の度に、プリントと一緒にその辞書を持ってくるようになった。授業に辞書なんて使うことないのに、毎日、大事そうに抱えて持ってくる。あれは加藤先生の、大人としての気遣いだ。くやしい、でもうれしい。と、少女は思う。

 

「今度の期末テスト、はじめて俺が問題作ることになったから覚悟しとけよ?

難しいぞ」

「じゃあ先生、もし100点とったらご褒美くれますか?」

「おーいいよ。とらせねえよ?w」

 

 

「先生って、あんまり女の子の生徒と話しませんよね。小山先生とばっかり遊んでるから一時期ゲイなんじゃないかって噂すらでてましたよ」

「ほんとかよーw うーん、女性はやっぱり、それなりに気を遣う。誤解させちゃったり、噂になったりすると困るからなー」

ときメモ藤崎詩織みたいなセリフを発する加藤先生。

「私は安パイってことなんですね(笑)まあ大丈夫ですよ、私なら」

この私が誰よりもガチだけどな!と心の中で毒づきつつ、それでもこんな話してくれるだけでも嬉しいことなんだよな、と切なくなる少女。

 

 

「期末95点でした。くやしいです」

「とらせねえって言っただろー?w で、何がいいの?」

「え」

「ごほうび」

「いや100点とれなかったし無効でしょう」

「まー、ケアレスミスで1問落としただけだし、それにほら、辞書のお礼もあるから、いいよ。なんかあげるよ」

「いやほんとにいいですから」

「あのなー、中学生が遠慮するんじゃないの。辞書のお礼だから! 早くしないと、時期も過ぎちゃうからね」

「時期?」

「12月でしょ。だから」

「もしかして、クリスマスプレゼントってことですか」

ま、そんなとこかな? って少し笑って、考えとけよーって言って加藤先生はどこかへ行ってしまう。

生徒の中では、少しは特別なのだろうか。

しつこく話しかけているからもうとっくに気持ちがバレてて、それで優しくしてくれてるだけなんだろうか。きっとそうなんだろう。それなら甘えよう。

 

 

加藤先生はシンプルで上質なマフラーをくれた。

放課後、卒業アルバムの制作委員で集まっていると、加藤先生が見回りにきた。

「やってるかー。あー、寒っ!寒いなこの部屋!」

マフラーをまいた状態で資料作りをしている私をちらっと見て

「……あったかそうなマフラーしてんな」なんて言うから、少女は顔が赤くならないよう冷静を保つのに必死だった。

 

 

「せんせー、甘いもの好きですか」

「……それあれでしょ、バレンタインでしょ」

「そんなこと一言もいってません。甘いものは好きですかって聞いてみただけです」

「あのな、この学校一応バレンタイン禁止だからな。俺は禁止してる立場だからな。それをふまえて質問には答えるけど、まあ疲れたときとか、甘いもの食べたい時あるな、うん」

 「好きなんですね?」

「うん、好き、だよ」

 

好きだよ、の声を脳内のレコーダーに最高音質で保存する。いやわかってる自分に言われた言葉じゃないけども、あまりにも甘くて素敵な声だった。バレンタイン当日、少女は下駄箱にチョコレートをしのばせた。ほかの先生に万が一見られても怪しまれないように、ラッピングの上から簡素な茶封筒に入れて。

 

 

卒業式。

 

式が終わって皆が帰った頃、名残惜しくてひとりで教室に戻った。

そしたら加藤先生がひょって現れた。

「あ、よかった。いた」

少女はなんといっていいかわからない。先生の顔を見ただけで泣いてしまいそうだ。こうして会えるのはもう最後なのだ。

少し周囲をうかがってから、先生はスーツの胸ポケットから封筒をとりだした。

「手紙書いてきたんだ。あとで読んでな。卒業おめでとう。これからも頑張って」

 

 

家に帰るまで待てず、校舎裏でひとりで手紙を読んだ。手紙には丁寧な文字で、新卒で初めての生徒をうけもって毎日不安だったこと、至らない点があったら申し訳ないと思っていること、少女やほかの生徒と過ごした日々がとても楽しかったこと、その生徒たちのこれからの幸せを心から願っていることが書かれていた。

 

手紙をありがとうございました。卒業したので最後に伝えます。先生のことが好きでした。1年間、私のような子供にたくさんの思い出をくれてありがとうございました。

 

少女は返信の手紙で、初めて恋をしていたことを伝える。

しばらくして先生から返事がきた。

 

君の気持ちはずっと前から気づいていました。僕はまだ未熟な教師だから、もっと君に対して何かしてあげられたのではないか、と自信がなかったりもするけれど、手紙をもらって、こんな僕でも何かの役にたてたのかなと少し安心しました。ありがとう。素敵な大人になってください。

 

そして少女と加藤先生は、しばらく文通をする。

そのうち少女には高校で好きな人ができ、加藤先生は恋人と結婚し、自然に手紙のやりとりもなくなる。そして思い出だけが残っていく…

 

 

 

みたいなさ…

 

長々となんだよこれ!ってのを書いてきたけど!! まあここ読んでる人は半分くらいお気づきかと思いますがこれ全部実体験なんですよ私の!!!!

 

なのでこれを書いている私は、シゲちゃんじゃなくて好きだった先生で脳内再生されているんだけども。もしこの先生との話を実写映画にするならシゲちゃんに演じてほしいなと思ったので!!!ついカッとなったんですごめんなさい!!! そういう映画っていうか少女漫画だと思ってくださいごめんなさい!!

「先生」って単語聞くともうどうしても私はこの思い出があふれてきちゃって、ポップでハッピーな面白ブログを書きたかったんだけど、こんなエピソードが実体験でゴロゴロあるんだからそれ書かなきゃだめかなって思って!

どうもー私生活切り売り芸人で~す!!!

 

ここに書いた胸キュンエピソードは本当にごく1部で、まだまだいくらでもあるんだぜ! 本当に紳士で、優しい先生でした…。今思い出しても好きになるわ…

 

で、ここからは余談なんですけども。

うちの実家では母がピアノ教室をやってるんですが、最近そこに新しい生徒さんが入ってきまして。

 

この先生の娘さんでした。

アパーー(てごちゃん)

 

「父からお話はよく伺ってました」ってうちのカーチャンにあいさつに来たらしいよ娘さん…しっかりしてるね娘さん…お父さんから何を伺ってるのかな娘さん…

 

事実は妄想よりすごいことが時にして起きる。という話でした。

ってか名前だけ加藤先生にしたけど今回の記事マジでジャニーズ関係なかった!! 終わり!!