桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

味スタはケーキどころか宝箱だった

お題「NEWS15周年コンサート "Strawberry" memories」

 

「美しい恋にするよ」のBlu-rayを見て、私はNEWSに恋をした。2015年の年始のことだった。小山さんのリーダー会、コヤシゲの夜会を経て興味が抑えられなくなり、特に夜会で紹介されていたNEWSの歴史と美恋コンの映像に心を奪われ、友人のジャニオタに「あのコンサートが見てみたい」とお願いして見せてもらった。それが決定打となり今に至る。

友人には他にも色々なジャニーズの映像を見せてもらっていた。そのどれもが素敵で、好きだなぁと思っていたけれど、美恋を見たとき明らかに今までとは違う衝動に襲われた。ああ、人生を狂わせるレベルの存在に出会ってしまった。そう思った。

もしかするとあの日私は、NEWSというグループだけではなく「NEWSとファンの関係性」にも恋をしたのかもしれない。NEWSニッポンのイントロで泣き崩れる女の子の顔、真駒内で自然発生したフルスイング。恋の熱に浮き足だったまま見た10周年では、NEWSは愛しそうに、ファンのために作った愛言葉を歌っていた。

いいなぁ。と思った。私もこんなふうに愛し愛される、ファンにしかわからない空間の一員になりたいなぁ。NEWS担に、なりたいなあ。

そう思った頃にはもうどうしようもなくNEWSを好きになってしまっていた。

 

それから約3年半強。「愛し愛される空間」を実際何度も体験し、体験すればするほどまたNEWSを好きになった。「ファンにしかわからない」、俗に言う「エモい」場面にも立ち会ってきた。U R not aloneを叫ぶように歌った声、鳴りやまないNEWSコールのうねり、うずくまって泣いてしまうてごちゃんの姿。いつまでも頭をあげない小山さん。

NEVERLAND終演後、あとからあとから流れる涙を拭きもせず水道橋を歩きながら、あの日見た美恋の「中の人」にいつの間にか私もなっていたのだなぁ、とぼんやり思った。

 

全ての道程を遡れていない私

しかしながら、EPCOTIA最終日。15周年記念コンサート開催決定の報を聞き、狂喜の叫び声をあげながら私はほんのわずかの引け目を感じていた。

なんと言っても私はまだファン暦4年にも満たないド新規である。いや、愛の重さは自負しているので新規ということそのものに引け目を感じているわけではないのだが、過去の曲などをあまり知らないことは少しうしろめたい気持ちでいる。私は個人的な体質でCDを聞くのが苦手なので、今までコンサートで歌われたことのないカップリング曲は、ここ3年のものを除くとほとんど知らない。そもそもコンサートDVDも4人になるより前のものはかいつまんで見たくらいなので、歌われたことがあっても知らない曲もあると思う。(CDを聞くのが苦手なように、DVDも誰かと一緒の時でないと滅多に見られない。そして誰かと見るときは基本的に最新のDVDが発売されたタイミングなので過去のものはどうしても後回しになってしまう)

今まで参加してきたコンサートはアルバムツアーだったので、最新アルバムを聴いていればなんとかなった。しかし周年コンサートはわけが違う。今までのNEWSの歴史を全て大切に慈しみ、その過程を経ていまステージに立つ4人を祝福する場所だ。

新規だけれどNEWSを好きな気持ちは劣る気がしない。だから「15周年コンサートに参加する資格は無い」なんてことは微塵も思わないが、NEWSにとって大切な曲のイントロが流れたときに、それを知らないようなことがあったら失礼なのではないか。4人になってからのファンだけれど、4人を形作った全てを愛しく思っているからこそ、「15周年」という特別な空間へ行くことに、わずかなうしろめたさを感じていた。

 とはいえそれはあくまでほんのひとさじ程度の罪悪感で、99.9%は純粋に、ただただ楽しみだった。ツアーが終わって数ヶ月もしないうちに新しいコンサートを見られるなんて夢のようで、幸せすぎて、楽しみで楽しみで仕方がなかった。あの、魔の6月が来るまでは。

 

 

 6月のあの日、NEWSのこの先が見えない中更新したブログで、私はこんなことを書いている。

 

tounoin.hatenablog.com

 

正直いまは私も、自粛明けの味スタの想像ができない。もしevery.に戻れるとして、その復帰姿は想像できる。NEWSな2人や、少プレなんかも想像できる。

だけど味スタだけは、4人で予定通り決行できたと仮定してみても全然想像ができないのだ。お前ら声出せんのかァ~って慶ちゃんはいつものように叫べるのだろうか。その時ファンは純粋にイエーイって言えるのだろうか。大好きだったABOのウリャホイを聞いて、私は今回のことがよぎって胸が痛んだりしないだろうか。まさか謝罪して泣いたりしないだろうかそれは絶対やめてほしいでもどうしたらいいかもわからない

 

 

 every.に出る小山さんの姿を最後に見た6月7日。色々な情報をかき集め、騒動の概要が明らかになるにつれ、NEWSというグループの存続についてはさほど心配する必要がないことがわかってきた。NEWSを起用している側も商売なので、もし世間の声が大きければ動かざるを得ないことは理解できる。そのためいくつかの仕事を失うことも覚悟したが、存続してもらえた現場についてはきっとスムーズに復帰できるだろう、ということは予測できた。今までNEWSが、小山さんが築いてきたものがこの程度のことで揺らぐとは考えられなかったからである。だからあの連日のいいかげんな雑誌記事、それを受けた誹謗中傷の嵐の中でも、少プレに、NEWSな2人に、音楽番組に出演している小山さんの姿はすんなり想像できたのだ。

はたして、蓋を開けてみればevery.以外の全ての仕事はそのまま継続が決定した。それはあの6月、皆が必死にNEWSの出演継続を求める葉書やFAXを書いたことも少なからず影響していると思うが、なによりも彼らが今までそこで仕事をしてきた中で築いてきた信頼があったからこそだろう。彼らのことをTVでしか知らない「世間」がどれだけ彼らの人格を否定し蔑んでも、実際に彼らと会って仕事をしている人たちは、少なくともそんな「世間」よりもずっと彼らのことを知っていて、正当に評価しているのだ。

(個人的にはevery.に関してももう番組側としては復帰の準備は出来ているのはないかと思っている。あとは小山さんの気持ち次第なのかなと。まあこれについては妄想でしかないし今は関係ないので置いておく)

 

 

ファンとエゴと、それでもアイドルを選ぶこと

だけど、味スタは、15周年コンサートは、どうなってしまうか全然見えなかった。

 

「ファン」あるいは「ファンだったなにか」しかいない場所で、小山さんがどんな顔で、どんな風に立っているのか。想像しようとすればするほど、そこだけがぽっかり空白になって思考回路が途切れてしまう。謝罪の言葉や涙なんて見たくなかった。私がそう思うのは間違っても一部の人が言っていた「自業自得なんだから泣いたりしたら許さない」なんて感情ではなく、単純に「小山さんが辛そうにしているところを見たくない」という気持ちだった。

許さない、も、見たくない、もどちらもエゴだ。あらゆるファンのあらゆるエゴを前に、小山さんがどんな精神状態になるのだろうと想像したら「泣かないで欲しい」などとは到底言えない気持ちで、でも思ってしまって、どうしたらいいのかわからなかった。

 

それでも少しずつ日常は戻り、少プレなどで小山さんの笑顔を見られる日も増えた。

大型歌番組で歌う姿も見られるようになったが、やはりどこか遠慮がちで、言葉少なく、消えてしまいそうな空気を纏っていた。そんな中発表された新しい曲、「生きろ」。

いくらなんでもこのタイミングで、なんて曲にぶち当たってしまったのだろう。泣きそうになりながら初披露のパフォーマンスを見たら、とにかく凄すぎて言葉を失ってしまった。

 

魂を搾り出すように歌う4人の姿を見ているうちに、6月からのあらゆる感情がうねりとなって空中に舞い上がり浄化されて消えていく。

生放送の番組で頭を下げたシゲ。

いつもの柔らかい声とゆるい話のまま、Kらじを守ってくれた増田さん。

自分が矢面に立つことを承知で、いつも通りでいこうよ!と笑い飛ばしてくれたてごちゃん。

「この道を生きていくことを許してください」と宣言した、小山さんの覚悟。

 

 

小山さんがどんな風にステージに立つのかわからない。だけど「生きろ」を聞いて、私が見てきた4人の姿を思い返して、残った気持ちは「この人たちが好きだなぁ」という、ただそれだけだった。シンプルに「好きな人たちの記念日を、もうすぐ一緒にお祝いできるんだな。嬉しいな」という気持ちだけが残った。知らない曲があったら申し訳ないとか、小山さん大丈夫かな、とか全部どうでもいい。好き。早く会いたい。会って触れたい。物理的に触れなくてもこの人たちには歌がある。歌を聞けば触れるのと同じ気持ちになれる。

 

大好きだ、大好きで大切だ。

たとえ「ファン」という私たちのような生き物の存在が、あなたたちを過酷な場所に縛り付けてしまうのだとしても。あなたたちがそこを選んでくれる限り、私にできることはひとつしかない。大好きだよ、大切だよ、という気持ちを抱きしめて、一緒に年齢を重ねながら、あなたたちと一緒の時代を生きていくこと。

 

 

やっぱ君らファンタスティック!!!!

STRAWBERRYコンサート感想ブログ、というお題を借りて書いているのに、コンサート前までのことだけでずいぶんスペースをとってしまった。でも当日の気持ちを書くなら、その気持ちに至った過程も残しておきたかったのだ。そう、NEWSが15年全ての経験を経て今のNEWSであるのが愛しいように。

 

コンサート当日の出来事はたくさんの方が素敵なレポにしてくださっているので、細かいことはもういいだろう。

結論から言うと、私の小さな心配など全て杞憂でしかなかった。

前述の6月に書いたブログで私が祈ったこと。

 

きっと、慶ちゃんが戻ってきてまたNEWSが歩き出せる唯一の方法は、こんな不安なんか殴り飛ばす勢いで慶ちゃんが輝くことなんだと思う。どんなに複雑な思いで味スタに向かっても、慶ちゃんの姿を見るだけでなにもかも吹っ飛ぶくらい素晴らしいパフォーマンスを見せてくれることなんだと思う。

 

だからそのためには、どんなに折れてしまっても立ち上がってほしい。NEWSでいることを諦めないでほしい。NEWS全員に、まずはNEWSを残してほしいし、あらゆる過去も蔑みも怒りも悲しみも吹き飛ばすほど輝いてほしい。

 

そんな私の祈りを軽く飛び越えて彼らは輝いていた。

初日は開演時間が大幅に押したのもあるけれど、それにしたってギューッと詰め込まれた濃密な楽曲たち。野外だからか、それとも楽曲を盛り込むことに重きを置いたからなのか、フライングなどの派手な演出はそれほどなくシンプルな構成。(と思ったけど水ドバドバ出るしBLACK FIREは炎ギャンギャンでるし、よく考えたらそこそこ派手だったかもしれない)

 

小山さんは最初からずっとニコニコしていて、かっこよくて、かわいくて、そして今まで聞いたなかで一番歌がうまくて、今まで見たなかで一番一生懸命ダンスを踊っていた。もう1曲目からわかった。あ、慶ちゃんは本気だ、って思った。本当に覚悟がある人の姿だ、って。小山さんは私が心配していたよりずっとずっと強い。強くあろうとすることのできる強さがある人だ。こんなことができるんだもん、そりゃあこの仕事してるよ、って思うしかない説得力の輝きがあった。気が付いたら何の邪念もなく慶ちゃんと一緒にABOを踊っていて、あぁ私この曲がくるの怖かったのに、そんなこと忘れさせられてたわ、すごいや、って笑ってしまった。15年も第一線で働き続けている人が「プロじゃない」わけないのだよね。当たり前のことだけど。

 

正直、NEWSのことだから今までの軌跡を思い出すようなエモエモの演出で涙涙になるのかなと思っていた。いやもちろん随所で勝手に感銘を受けて泣いたんだけど、なんだろう、すごくいい涙なんだよ、それが。悲しみとか切なさとかではなくて、とにかく純度100%の、愛しさの涙みたいな。

フルスイング、URといった過去には大きな意味と重さを持っていた曲は前半の早い段階で歌われ、いつものようにファンもめちゃくちゃ歌ったけれど、NEVERLANDと時とは確実に違う、NEWSとファンが肩を組んで笑顔で歌っているような気持ちになるURだったと思う。根本的にずーっと楽しくて幸せで、愛しさが溢れてたくさん笑い泣いていた。

 

そんな感じでぽかぽか幸せでいたら、増田さんの衣裳について4人が語る、アナザースカイ風のVTRが流れた。

メンバーカラーについての見解を語り、4年前からこの日のために考えていたことがある、と。全く予想ができなかったけど、ざわっ、と鳥肌がたったのを覚えている。

 

それぞれのメンバーカラーに身を包んだ4人が登場したとき、泣き崩れてしまった。

こんなこと考えられる増田さんって天才!……という感情ではなくて、増田さんが示した圧倒的なNEWSへの愛を真正面からくらって崩れ落ちてしまったのだ。

多分最初のピンクの時はそこまで考えていなくて、カルテットの黄色を作った辺りで思い付いたのだろうけど(後日ラジオで言ってたところによると、その通りだった)、1年に1着作ればちょうど15周年だなって思って緑と紫を何食わぬ顔をして取り入れていった増田さんの気持ちを思うと、どんなに我々がNEWSを好きでも、当人たちの愛には叶わないのかもな、なんて降参するしかない。

 

 

そしてトドメが、デビュー当時の自分へ向けたメッセージ。

てごちゃん、シゲちゃん、慶ちゃんの順に、最近の諸々をふまえたのだろうな、と思わされる言葉を紡いでいく。年齢順でも入所順でもなく最後が増田さんだったのは、おそらく6月からの騒動と無関係ではないだろうと思う。唯一なんの騒動にも関係していなかった増田さんは、長い言葉で語った3人とは対照的に、簡潔に「これからもNEWSをよろしく」という趣旨の挨拶を述べた。そして、15年前の僕へ。と前置きして、一言だけ声を発した。

「いま、幸せだよ」

 

ヒィッ、と声をあげてしゃくりあげてしまった。誰に対して、というわけではないが「見てるか!」と思った。お前ら見てるか、お前だお前。あの時増田さんのことをかわいそうだとか言ったお前らだ。他の3人に足引っ張られてかわいそう、もう解散してひとりでやった方がいいんじゃないとか散々言ってたお前ら聞いたか!

世界一やさしい声だった。あまりにもやさしい響きの「幸せだよ」という言葉が、かえって増田さんの燃えるような熱い意思を表しているように聞こえた。

騒動の最中、私は本当に悲しかった。自担である小山さんが傷付けられているのも悲しかったけれど、自担と同じように大好きな増田さんが勝手なことを言われているのも悲しかった。増田さんをなめるなよと思っていた。

そういう気持ちが、増田さんのやわらかい「幸せだよ」という声ですべて、わたあめのように溶けていく。増田さんは多くを語らないけれど、いつだってその声で、歌で、全身で気持ちを伝えてくれてきた。それがここしばらくは、かつてないほどわかりやすく、直接的に表現するようになってきているように思う。

衣装のことも、このメッセージも。増田さんの答えなのだろうなぁ。

本当に本当に増田さんはNEWSが大好きで、15周年がうれしくて、これからもずっとNEWSでいるんだなぁ。NEWSに増田さんがいてくれて、そんな増田さんを大好きになれて、本当にうれしい。

 

ちょっとボリュームの関係でてごちゃんとシゲちゃんに言及できなくて申し訳ないけど(ふたりについても書きたいこといっぱいあるんだよ! 生きろの大サビとかTシャツ再版のこととかサングラスのこととか!!)、とにかく全員それぞれの強みが存分に出ていて、素晴らしいパフォーマンスの3時間だった。なにより4人が本当にNEWSのことが大好きで、このコンサートを幸せに思ってくれていることが伝わってきたのが最高に幸せだった。

「今ここにあるファンタスティックな愛 見えるだろ」という歌詞に泣きそうになる。見えたよ、確かに見えたんだよ。

 

 

◾夜よ踊れに踊らされた夜

ところでセトリについてここまでほとんど触れてないけれど、これだけは記しておく。

完全にBYAKUYAが来そうなVTRが流れて「BYAKUYAくるぞ……くるぞ……!」とペンライトを握りしめていたら「夜よ踊れ」の文字がバーンとモニターに出て、初日の私は控えめに言っても狂ってしまった。1%も予想していなかった。どのくらい狂ってしまったかというと、見切れ席スタンド前列、というステージから一番近い位置にいたにも関わらず、驚きすぎて混乱しすぎて、2番が始まるまで生バンドで演奏していることに気づかなかったくらいだ。(そして生バンドに気付いてまた狂って死んでしまった)(待ってしかも生バンドじゃん!! て2番で叫んで同行者に「今気付いたの!?」という顔をされたことを思い出して笑う)

このブログの冒頭に私は、ファンになる以前のカップリング曲は知らないものがほとんどだと書いた。きっと私の知らない時代の、人気のカップリング曲やアルバム曲はたくさんあるだろうから、古くからのファンにとって嬉しいそういった楽曲もセトリに入ってくるのだろうな。と、1.2曲知らない曲が登場することを覚悟して会場へ入っていた。しかし終わってみれば、知らない曲はひとつもなかったのである。

もちろん古いファンにとって懐かしい曲もきちんと入っていたが、1度はコンサートで聞いたことがあるものだった。コンサートでの披露が初めてだったのはこの「夜よ踊れ」だけだった……と思う。(違っていたらご指摘下さい)

ここからは完全に勝手な妄想なのだけれど。

帰り道ぼんやりと、なぜ「夜よ踊れ」がセトリに入ったのだろう……と考えて、「きっと、私たちが思っているよりずっと、ファンのこと見てるんだなぁ」となんとなく思った。

Kらじで言っていたように夜よ踊れは本人たちも気に入っている楽曲で、それゆえ選ばれたという単純な理由かもしれないけれど、でもわざわざ周年コンサートではなくても、次のツアーでよかったはずだ。なにしろあの曲はまだ発売されたばかり、それも一連の騒動の影響でほとんどプロモーションできなかったシングルのカップリングである。15周年を祝うにはマイナーすぎやしないか。

NEWS陣営はきっとわかっていたのではないだろうか。あの2日間、味スタに集まった人の中には、何枚もBLUEを買ったり、ハッシュタグをつけて呟いたりしていたファンたちが少なからずいることを。

せっかくの新曲、しかも4年に1度のワールドカップとのタイアップという大切なシングルなのに、歌番組にも出られず番宣にも出られずほとんどプロモーションが出来なかった。だからファンたちは必死にCDを買い、Twitterを活用し、なんとか1位をもぎ取り、今まであまり意識していなかったビルボードにもランクインした。夜よ踊れはそんなファンたちの間で大人気となった楽曲だった。

思えばあの時の我々は必死だった。活動自粛という現実のなかで、なんとか明るい方向に行きたくて、自分たちに出来ることがしたくて必死だった。

「BLUE」を手に取り、「夜よ踊れ」を好きになった人たちは、間違いなくあの地獄のような6月を越えて、それでもNEWSのことが大好きなままの人たちだ。そんなファンたちへの恩返し……というほどのことではないが、喜ばせてくれようとした気持ちがきっとあったのではないかなぁと思ってしまう。そしてあの日会場へいた人たちの大半は喜んでくれる、と信じていたのではないかな、とも。

 

そうそう、会場はとてもいい雰囲気だったのだ。おそらくアンチと呼ばれる人も一定数あの中にいたのだろうし、実際、冷めた目線で見ていた人のレポもあった。とはいえ、私があの場で感じたのは、それ以上に爆発するたくさんの「好き!」という気持ちだった。揃うペンライトの海、広がる歌声。NEWSが好き、てごちゃんが、シゲちゃんが、増田さんが、慶ちゃんが、好き。楽しい。幸せ。歌いたい、歌おう!

ハッピーな感情があちらこちらで花開いていて、あの空間にいるだけで幸せになってしまうような、そんな場所だった。

 

すごく印象深かったこと。

初日、メインステージから伸びる外周の前で見ていたのだけど、オープニングで歌い終わったシゲちゃんがステージから外周に歩いてきたとき、それはそれは皆おおきな声で「シゲー!」と呼んでいた。ピタ、っと立ち止まったシゲに、更に大ボリュームで降り注ぐ「シゲーーー!!」の声。するとシゲは「そんなに呼ぶぅ?」というような表情で、それはそれは可愛くフニャッ、と笑ったのだ。

てごちゃんがいつかのコンサートで「そんなに好きぃ?」と聞いたのと同じ顔で。

その顔があまりにも可愛くて「好きー!!」という気持ちをこめてまたシゲ! と呼んだ。

シゲは更に更に困ったようにフニャッと笑って、手を振って歩いていった。

「幸せだね、俺らって」

という声が心に届いた気がした。

 

 

◾NEWSがわたしにくれたもの

初日は重い小山担と一緒に入った。6月7日、ひとりでいたら狂いそう、と私の家に転がり込んできたので朝まで寄り添って過ごした相手だ。

2日目は、4人それぞれの担当で4連した。私はいつも一緒に入る人を特に決めずにチケットを申し込むのだが、今回初めて、あらかじめ約束してチケットを取り合って連番した。

着ていく服を相談したり、せっかく4連だから文章のうちわを作ろう、って言って文面を話し合ったり。同行してくれる人たちのおかげで味スタに行く前からずっと楽しかった。

 

同じように慶ちゃんを心配していた小山担と初日に入れたこと、本当によかった。終わったあとは、慶ちゃんが元気で安心したねえって話を朝までした。

 

2日目は連番した4人と、更にフォロワーさん4人を加えて飲みに行き、居酒屋のTVでゼロを見て死に、カラオケに行って私のタブレットで小太郎スピンオフを見た。オタクが騒ぐので音量が足りなくて、マイクのボリュームを最大にしてスピーカー部分に当て続けたら、後日マイクを支えていた腕が筋肉痛になった。

カラオケに朝5時までいて、さすがにアラフォーでオール2連続は体がボロボロだったけれどまだまだ話足りなくて24時間の居酒屋に入る。

9時くらいだっただろうか。いい感じにヘロヘロになってきたら、なんだか2日間の楽しかったことが溢れてきて、ひとり語りを始めてしまった。

 

「ライブの最後にさ、花火があがったじゃん。

美恋コンみたいなお城のセットの裏から、美恋コンDVDで見て憧れてた花火があがってさ。全力で生きろ歌ったNEWSが、力が抜けたように花火を眺めてて、会場のオタクたちもみんな同じ花火を眺めててさ。

天井ど真ん中からその全体の光景を見てたら、あ~~~……宝物だなあ。って思った。この風景全部が、宝物みたいだなぁって思ったら幸せで泣けて泣けてしょうがなかったよ」

 

急にポエムを詠み始めた私の話を、みんなバカにせずしみじみ聞いてくれて、ほんとだねえ……宝物だねえ、って口々に言い合って、ちょっと涙ぐんだりした。

 

エンドロールに合わせて、歌詞があやふやなまま「生きろ」を歌ったこと。NEVERLANDの時のURみたいな、NEWSに届けたい!! って必死な気持ちではなくて、帰りがたくて居酒屋にもう1件行ってしまうような、幸せの余韻を反芻するような歌だったこと。そういう気持ちを分かち合える人たちと出会えたこと。

 

NEWSに出会ったことで見ることができた美しい景色、あたたかい気持ち、大切な人たち。NEWSは私に宝物をたくさんくれた。

あの間近で見たシゲの笑顔を思い出し、Tシャツごめんね、待っててねと言ってくれたてごちゃんの優しさを思い出し、幸せだよと言った増田さんの声を思い出し、客席へ向けて丁寧に踊る慶ちゃんの微笑みを思い出して、きっとNEWSも私たちのことを宝物だと思ってくれていたな、とふと考える。わあ凄い、自分が誰かの宝物なんだなって思えるの凄くない? めっちゃすごい。でも思えちゃう。

 

そんなに好き? 好きだよ

幸せだね、俺らって 私たちって

 

そんな会話を心と心でしたような2日間でした。

 

15周年おめでとう。

そしてこの先も20年、25年と、たくさんの幸せがあなたたちにおとずれますように。

 

 これからも、ずっと。

 

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