桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

悪はどこにありますか

前回のブログで私は、今回のNEWSの一連の出来事に対しての見解は省略した。「擁護できないことも、擁護したいことも、とにかく悲しいこともある」とだけ書いた。省略したのは、単にそこを掘り下げてしまうと文章が煩雑になってしまう(ただでさえ私の文章は長いのに)からで、細かいことは改めて別エントリにするつもりだった。

そうこうしていたら追撃を受けた。正直いま、なにかを語る気持ちになれない。私は彼らに怒っても呆れてもいなくて、相変わらず好きで好きで彼らのことが心配でどうしようもないだけだ。ただこの世の悪意という悪意を浴びて胸焼けしている。辛酸を舐めすぎてゲップが出そうだ。

悪意。そう、悪意?

これは悪意なのだろうか。それともあくまで「正義」なのだろうか。「悪」を暴こうと「正義」のもと、振り下ろされている鉄槌なのだろうか。

 

 

いま私は、金八先生ファイナルを見ている。

岡本圭人演じる景浦裕也という問題児をクラスから排除しようとする生徒たちに、金八先生が「悪について」説教をするシーンを見ている。

 

いま自分の言葉でなにかを語る気持ちになれないので、この金八先生の演説をまるっと書き起こすことで、今日をとりあえず終わりにしたい。

 

 

 

 景浦を避けて別の部屋で勉強する生徒たちに、何故だと聞く金八。


生徒「あいつが学校に来るだけで俺達には迷惑なんだよ、なあ?」


生徒「何で景浦くん1人のために私達が迷惑かけられるわけ? そんなのマジ変じゃん、ねえ?」

次々と、景浦にかけられた迷惑を語る生徒たち。

金八「まあ、そらね。でもさ、景浦は景浦なりに今、一生懸命反省してさ、頑張ってんじゃないかな? だってみんな考えてごらん。あいつはみんなが学校から帰ったあとだって学校で懸命に残って補習受けてるんですよ。先生と一緒に生活してるときも、あいつは風呂場洗ったり、飯なんかも一生懸命作ろうとしはじめてるんです」


生徒「そんなのいつまで続くか分かりません」

金八「確かに景浦にはたくさん反省すべき点があります。でも、あいつはもしかするといま本当に生まれ変わろうと頑張ってるのかもしれない。みんなもそうじゃない? 1回や2回失敗することあります。人生でその1回や2回失敗したからって、みんなからつまはじきにされるというのは、やっぱりそれは少しおかしな話じゃないか?」


生徒「でも、嫌なものは嫌でいいじゃないの? 例えばさ、バスに乗ってて怖い人がいたら普通にみんな降りちゃうでしょ、ねえ?」


金八「確かにそうだよね、確かにそうですね。バスに怖い人がいたら降りた方がいいでしょう。降りれます。でもね言っときますが、君達が出ていく社会、その社会から降りることはできませんよ」
 

生徒「社会?」


金八「そうです。君達はこれから広い社会という世界に出ていきます。でもね、そこには必ず嫌いな人とかそれから考えが合わない人とか、価値観が違う人に出会います。そんな時にいちいち社会から降りてたら、体もちませんよ。言っときますが。
それに第一みんな分かってるでしょ? 自分と同じ人間というのは広い世界に1人もいないんです。ね。人間は嫌でも人間と一緒に生きていくしかないんです。
だから相手の人をどう理解するか、それを勉強するところが、ここ学校なんです。
どんな人に出会ってもまず話し合うことから始められる、そういう人が学力の高い人なんですよ。

嫌いな人に出会った、嫌な人に出会った、その度にこんなやついなくなりゃいいんだ、死んでしまえばいいんだ、そう思う心というのは、やっぱり戦争に通じる心なんじゃないかな。人類は長い歴史の中で、大きな戦争を何度も体験して、それが いかに愚かな考え方であるかということを学びました。今、君達がやろうとしていることは、その小さな戦争、小さな戦争につながる心じゃないかな。排除する方も排除される方も決して幸せにならない。実にバカバカしい、学力の低い考え方じゃないですか」

 


生徒「でも 社会を乱す悪は 歴史の中でも追放されたり処刑されています」

 


金八「悪ですか……。悪ね。今 悪という言葉が出ました。じゃあ、悪について考えてみようね。
みなさん方に聞きます。景浦裕也は悪ですか? 景浦裕也は悪ですか?
クラスメイトが理科の実験で恐ろしい目にあおうとしている、そのことをやめさせようとした、その景浦は悪ですか?  みなさん!
そらもちろん、教師に暴力を振るう……許されることじゃない。
でもな言っておくが、なぜ暴力を振るったかに関しては全員口をつぐんで、その理由を一切言わない。そのクラスメイトが逮捕されたのに、学校に来れば全員でつまはじきにする。

俺から言わせりゃね、俺から言わせりゃね! 君達の方が悪ですよ!!

みんなで考えましょう、ねっ。


悪は どこにありますか?
悪は どこにありますか?
警察にありますか?  悪は。学校にありますか? 路地裏のゲームセンターにありますか?  違う! 悪は そんなとこにない!!
悪はどこにあるか!
みなさん方の心の中に、悪はあるんです!

他人の悪をもし批判するというならば、自分の悪をしっかり見つめ認識しなさい!
それが! 悪を批判するということです!


みなさん方に、ひとつ提案があります
景浦裕也を、3Bに、受け入れてあげてください。お願いします……」