桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

みんな今こそ金八先生第6シリーズを見てくれ

シゲちゃん主演ドラマ決定おめでとう!

増田さん主演舞台決定おめでとう!!

 

やったーーーーー祭りだ!!!!!!

演技仕事ちょーーーうれしい楽しみ!!!!!!!

 

 

 

で、ここで質問なんですが、金八先生未履修の皆様、いつ見るの??? 

今でしょ!?!?!?

 

 

唐突にふた昔前のネタで煽ってしまいましたが、まだ金八先生第6シリーズ、すなわちシゲちゃんと増田さんが出演していたシーズンを見たことがないよ~という方は、ふたりの演技仕事が同時に決まったこのタイミングで見てみるの、なかなか趣があると思うんですよね。

……なんて理由をつけようとしていますが、正直以前からいつか金八のプレゼンしたいなと思っていたので個人的にいい機会だというだけです。Twitterのタイムラインで誰かが金八の話をしようものなら即リプしてしまう金八パトロールおばさんの私としては、こうやってなにかと理由をつけてひとりでも多くの人に金八を見せようとしているわけなのです。いろんな人と金八の話がしたいという私利私欲です。そんなわけで今日は金八をプレゼン、っていうかただダラダラと語ります。

 

 

■そもそも金八先生とは

 大多数の方がご存知かと思うが、金八先生とは武田鉄矢さん演じる中学国語教師・坂本金八が、学級担任をしている3年B組におこる様々な問題を解決していく学園ドラマである。

1979年から2011年までなんと32年間に渡って断続的に製作されていた。レギュラー放送は第1シリーズから第8シリーズまでの8つあり、シゲマスが生徒役として出演していたのはそのうちの第6シリーズ(2001年)である。

 

「シゲちゃんと増田さんが出てたのは知ってるけど、なかなか今から見るには腰が重くて……」という人は多いだろう。わかる。わかりみがすごい。

なぜなら金八シリーズは放映期間が10月開始の3月終了。1クール3ヶ月のことが多い連続ドラマの中では珍しい2クールでの放映なのだ。第6シリーズは全23回。そのうち3回が2時間スペシャルで、最終回は2時間半スペシャルなので、休憩無しで全部ぶっ通しで見てもざっと28時間半かかる。1日では終わらない……!

でも1日1話のペースなら1ヶ月で観終えることができるのだ。シゲちゃんのドラマ、増田さんの舞台どちらも7月なので、今から観始めれば余裕をもってそれまでに終われるのである。さあ、重い腰をあげるには今ですよ。

 

■なぜ今なのか

金八シリーズは、シゲマス共に、初めてガッツリと演技をすることになった仕事だと思う。シゲは金八以前にもちょいちょいドラマへの出演があったが、前述の通り半年間もかけて自分に与えられた役柄と向き合う機会というのはなかなか無い。今でこそたくさんの経験を経て「演じる」という技術を得ている2人だが、金八はまだ少年だった彼らが始めて演技という壁に立ち向かった時間がそのまま残されているのだ。

お世辞にも上手いとは言えないその演技は、しかし純粋で、羽化したての蝉の翅のように透き通って瑞々しく震えている。そんな少年時代の彼らの姿を見てから改めて、2018年最新バージョンの演技仕事を見たらきっと感激もひとしおなのではないだろうか。

 

■第6シリーズ

さて、第6シリーズとはどんな話だったのか。金八シリーズには「そのシリーズ放送当時の教育現場での問題点、世相をテーマにしたストーリーが作られる」という特色がある。例えば昭和50年代のシリーズでは非行や校内暴力の描写が中心となり、バブル崩壊後の第4シリーズはいじめや不登校が取り上げられた。

この第6シリーズは非常に盛りだくさんで、複数の重たいテーマが同時進行していくのが特徴だ。特に大きなテーマは2つあり、ひとつが当時ジャニーズJr.だった東新良和くんが犯罪加害者の家族を演じた「報道と人権」の問題。そしてもうひとつは、心は男性だが体が女性である人物を上戸彩さんが演じた、性同一性障害というテーマである。今でこそインターネットの普及と共に性同一性障害LGBTについての話題は一般的にも見られるようになったが、第6シリーズ放送当時の2001年はまだ今のようには情報が無かった時代である。このドラマをきっかけに性同一性障害という言葉を知ったという人も多かった。

 

またこのシリーズでは金八先生の息子・幸作が悪性リンパ腫で生死を彷徨うというストーリーもあり、前作である第5シリーズ(幸作は第5シリーズの生徒たちと同級生という設定だった)の出演者がたくさん出てくる。そのため個人的には第5シリーズと第6シリーズはシンメという捉え方をしている。もし第6シリーズを見るつもりで余力のある方は、第5シリーズから見ていただけるとより楽しめるかと思う。

ちなみに第5シリーズから演出を手がけている福澤克雄氏はあの「半沢直樹」や「陸王」の演出家の方で、福澤氏の演出の力もこのシリーズが名作と言われる所以のひとつであろう。(「金八先生の撮影中にシゲが携帯を鳴らしちゃって演出家大激怒事件」の演出家はおそらくこの方)(それがトラウマで今でもマナーモードを解除できないという話をシゲが何度かしている)

 

物語は、3年B組に成迫政則(東新くん)と鶴本直(上戸さん)という転校生がやってくるところから始まる。前述の通り、この2名それぞれの抱える問題が第6シリーズの2大テーマとして軸となっていく。

盛りだくさんの全23話の中でのシゲマスの役割を以下に紹介したい。

 

加藤成亮/長谷川賢

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ボーっとしてたら呼ばれてびっくりしたお顔。既に顔が完成されている……


愛称はハセケン。一言で表わすなら「スーパー完璧中学生」。

成績優秀、容姿端麗、父は弁護士。正義感が強く、優しく、さわやかで、誰にでも分け隔てなく接する。媚びへつらうこともなく、ダメだと思うことは友人でもはっきりと注意するような、自分の中に1本筋の通った男。あかねちゃん(平愛梨)というカワイイ彼女……もとい幼馴染もいる。

はっきり言って「こんな中3いてたまるか!!」と言いたくなるほど欠点がない人物である。

金八に出てくる生徒たちは、中学生らしくどこかに弱さや欠点を持っていることが殆どなのだが、ハセケンにはそれがほぼ無く、ひたすらに「まっすぐすこやかで、正しい」存在として描かれている。ハセケンがそういう人物であることが、この物語にとって重要な役割を果たすからだ。

 

ハセケンが深く関わることになるのは、2大テーマのうちの「鶴本直」にまつわるストーリー。直の性自認は男性だが、体は女性であるゆえ他者の理解を得られないと感じ固く心を閉ざしている。直はその名の通り真っ直ぐな心の持ち主で、卑怯な行動や不条理を許せない性質を持っているが、その正義感を攻撃的な形で表すしか術がない。そんな直が興味を持つのがハセケンだった。性同一性障害を抱えることで「自分をもつ」ことを誰よりも意識している直から見ても「正しく自分をもっている」ハセケンは、ハキハキをものを言いつつもクラスで浮くことなく、皆から慕われている。

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直のことをからかう級友を諫めるハセケン。顔が良い

 

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キレる相手に「…やろうぜ」と凄む。優等生だが戦いも辞さない正義感。あと顔が良い

 

直はハセケンと話がしてみたい、「男として」友達になってみたいと思う。そこでハセケンのメールアドレスをちょっとした仕掛けでゲットし、「yesterday」という架空の男子中学生としてメル友になるのだった。

 

ハセケンはおそらく、直にとって「こうありたい自分」の姿に近かったのかもしれないと個人的には考えている。そんなハセケンの存在と、他のクラスメートとの交流もあって直は徐々に変化していく。ここから先の展開は是非ご自身でご覧下さい。

 

 

まさにこの役は、当時のシゲに与えられるのにぴったりなものだったと思う。

このJr.時代のシゲは、かつて本人自らが1万字で「経歴はエリートです」と語っていたように、トントン拍子で仕事が与えられていた。中学受験をするから、とまさかの「受験休み」をもらったにも関わらず、青学に合格し復帰後もすぐに仕事がもらえる。そして周りからも「受かりそうだよね」と言われた金八オーディションに合格。このハセケン役で知名度も上昇し、まさにエリートコースを歩んでいたと言えるだろう。優秀でピラミッドの頂点のような存在のハセケンを演じるのには適任である。

しかしシゲはこの頃、エリートだった一方で「歌もダンスも芝居もなんにもできない」自分を自覚していたのだという。エリートコースを歩んでいるという、客観的な目線から見た自分のようなハセケンを演じる裏では、自分の実力不足を感じ葛藤していた。

金八を見た友人に「おまえの芝居だったら俺のほうがうまいと思う」と言われて本気でヘコんだこともあると1万字で語ったシゲ。

確かにね、ハセケン、セリフまわしがとってもたどたどしい。まだ少し幼さの残る声が余計に拙い印象を与える。

でも、何度も言うようにハセケンってスーパー完璧中学生なんですよ。文化祭の出し物で何をやるか大もめにモメてたクラスが、ハセケンの提案ひとつで言うこと聞いちゃったり、クラスが不穏な空気になったときにハセケンがリコーダー吹くだけでなぜか和やかムードになっちゃうくらいカリスマなんですよ。

正直このキャラ造詣を、めちゃめちゃ流暢に感情豊かに喋る人がやったら、めちゃめちゃイヤミでいけすかない野郎になってたと思うのだ。シゲの、あの時のあの演技でこそ、ハセケンというキャラはどこか不思議な空気感の、浮世離れした、憎めないキャラクターになったと思うのだ。ハセケンはこの時のこのシゲの演技だからこそ成立するキャラクターだった。これは別にファンフィルターのせいではなくて、ジャニオタになる以前から繰り返し言ってることなんだけども。

 

私のシゲとの出会いはハセケンだし、今でもしょっちゅう金八を見ているから、現在のシゲの演技に触れるとその高低差に毎回新鮮に驚いてしまう。最近だとNEWSに恋してのボイスを聞いて、そのあまりの上手さに「シゲどこでそんな青二プロの声優サンプルボイスみたいな声と演技覚えたの!?」ってなった。

どれだけトントン拍子でも自分の実力を過信することなく、冷静に客観視することができたことに加え、苦手意識をもって腐ってしまうのではなく貪欲に努力し壁を乗り越えることができたから今の演技がある。そしてずっと継続してその真摯な姿勢でいたからこそ、24テレビで得たヨシノリ先生という役への向き合い方が評価され、今回の主演に繋がったのだ。自分を客観視できる冷静さと、それを乗り越えようとする熱さを兼ね備えているシゲのことが大好きだなあ、としみじみ思う。

 

◼増田貴久/長澤一寿

 

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インナーはカラー派。顔がかわいい

金八先生には第1シリーズから「ジャニーズ事務所枠」がある。第1シリーズに出てたマッチさん、トシちゃん(田原俊彦さん)、ヨッちゃん(野村義男さん)が「たのきんトリオ」として人気が出たのが有名だが、その後のシリーズにおいてもジャニーズ事務所からは3名ずつ出演している。

(余談であるが、かつて人気が低迷していたジャニーズ事務所を救ったのが、この金八先生でのたのきんトリオの台頭だった。そういうこともあって金八シリーズは事務所にとっても長く大切にされてきた仕事なのだと思う)

この6シリーズにおいてのジャニーズ枠である成迫政則、長谷川賢はどちらも物語の中心的存在であるが、最後の一枠の長澤一寿(かずとしと読む)は、さほど目立つ生徒ではない。特に最初の方はあまりセリフも無く、どんなキャラクターなのかもいまひとつ掴みにくい存在であった。

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初セリフのシーン。嫌そうな顔もかわいい

最初のセリフのシーンは、難しい漢詩の授業を聞いて「あ~~そういうの、かったるいんだよね」と吐き捨てるというものだった。学ランの下にカラーTシャツを着ている生徒は、今までのシリーズにおいては不良枠というかちょっと反抗的な役柄が多かったので、ああなるほどこの子は不真面目なヤンキー役なのかなとこちらは考える。

しかし金八に「何がかったるいんだ?」と問われた一寿の反応はこうだ。

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「だぁって……」

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「意味わかんないもん」


……おべんきょ難しくていじけただけ?

かわいすぎでは???

 

これは私の想像だけれど、一寿は当初、ちょっと反抗的なヤンキー風味のキャラ設定だったのではないかと思っている。序盤、成迫や直が転校してきてクラス内にトラブルが起こった時も、一寿は特に誰かとつるむこともなく興味なさそうな感じで遠巻きに見ているだけである。なんとなく友情とか絆とか暑苦しいものはくだらねぇ、みたいな子なのかな? という印象だった。

だけど増田さん本人が元々持っているオーラが、圧倒的に健全そのものなのだ。増田さんの歌声が、どんな悲恋の歌を歌ってもどこか幸せの成分がまざっているように。

一寿というキャラクターは増田さんからわき出る「陽」のオーラに徐々にひっぱられていくかのように、途中からはひたすら屈託のない、素直ないい子として描かれていく。

そのキャラクターが決定付くのが第9話。三者面談で一寿は、キラキラとまっすぐな目をして、自分は自転車の選手になる。いつかツール・ド・フランスで優勝するんだ、優勝した者だけが貰えるマイヨジョーヌ(黄色いジャージ)を目指すんだ、と笑顔で語るのだ。そしてトレーニングも兼ねて自転車で新聞配達のアルバイトをしていると。

この「自転車少年」という設定によって、一寿は9話以降ちょいちょい出番が増えるようになる。ある生徒の家が家事になる事件では、ちょうど新聞配達で通りがかったためそれを目撃し、警察を呼ぶなど奮闘することに。不登校のクラスメイトと金八が一緒にいるところを通ったときは、優しく「待ってるからな」と声をかける。決して中心的人物ではないが、物語の随所に現れる一寿はストーリーテラー的な役割でもあるのだ。23話全て見終わる頃には、誰もがすっかり一寿のことを好きになっていると思う。卒業式の一寿のかっこよさ本当にやばいからマジでみんな見てくれお願い。

 

シゲとは対照的に「エリートではなかった」Jr.時代の増田さん。そんな増田さんがつかんだ金八というチャンスで与えられた役柄は、自分の好きなものを夢にしてまっすぐ進んでいく少年だった。これまた、職人気質で、アイドルの道を突き進む増田さんにぴったりの役だったなあと感じる。

 

◼3年B組

私はずっと金八を見てきたが、ずっと「金八先生が好き」とは言えなかった。教育論として肯定できるものもあればうーんと思うものもあったし、その他諸々ここでは言えない思いがあって「好き」と言ってしまうのには抵抗があった。

しかし今では「いや、これどうあがいてもドラマとしてめっちゃ好きだわ」と素直に認めている。教育がどうこうとか社会問題がどうとか、難しいことは全部すっとばしてただ学園ドラマとして見たときに、文句なく自分が一番面白く感じるタイプの作品だと気付いたからだ。

3Bには生徒が30人いる。上記ではハセケンと一寿だけを紹介したが、生徒ひとりひとりにきちんとキャラクター設定があって、そのどれもが愛しい。たくさんいる先生方も愛しい。人間が好きで、人間と人間が心を通わせる物語が好きな私は、そりゃ金八好きだわと思う。

30人もいたら誰にでもひとりくらいお気に入りの生徒が見つかるのではないだろうか。どうかこれから金八を見てみた方は、どの生徒がお気に入りになったか私に教えてください。ちなみに私が第6シリーズで大好きなのは信太宏文です。

 

半年かけて放送したドラマは卒業式で終わる。卒業式の後、金八先生は生徒ひとりひとりの名前を呼び、メッセージを送ることが定例になっている。金八が生徒へ贈るこの言葉は台本ではなく、武田氏のアドリブだ。それぞれの役柄へ贈られる言葉は、それぞれの役柄を生きた少年少女たちにもまた、贈られているように思う。

第6シリーズでは、中盤で「立志式」といって、毛筆で自分の志を書いてクラスの前で発表するというイベントがあった。金八はそれを卒業式でひとりひとりに返却し、言葉を添えた。

ハセケンと一寿が金八先生から卒業式に贈られた言葉を記して、この記事を終えようと思う。不思議とその言葉は、加藤シゲアキと増田貴久にも、ぴったりな言葉なのだ。

 

 

長谷川賢  志「上を向いて歩こう

(泣きすぎてボロボロの賢を見て)バーカおまえ、2枚目が台無しじゃねえか(笑)

上を向いて歩こう」。その通りだハセケン。辛いことがあったら青空を見上げて、瞳のなかにいつも天の青、青空の青、その青で瞳を染める人になってください。

 

長澤一寿  志「ツールドフランス制覇」

いいぞ! おまえだったらどんな坂道でもペダル漕げる! 俺はな、自転車漕いでるお前の後ろ姿が一番好きだったんだ。しっかりペダル漕げ、一寿!

 

 

 

……さあ、どうですか、見たくなってきましたか?

見たくなってきた貴方に朗報です!

来週からCS放送TBSチャンネルで再放送があります!!

 

2018.5/24(木)~6/12(火)

毎週(月~金)10:20~12:00[2話連続]

(5/31は11:10まで、6/12は12:30まで)

 

ね!! 今でしょ!!!

 

CSが映らない人はレンタルでもありますからね~!! ではでは!