桐ノ院整体院

浮気どころか不倫だぞと罵られ隊

根本宗子作・演出 「皆、シンデレラがやりたい」感想、と、付随するなにか

ロザンはじめお笑い芸人、浦和レッズ、男子大学駅伝、綾野剛、などなどジャニーズ以外にも好きな人やものが多過ぎて見はなされてしまいそう(by椎名林檎)な私であるが、好きなもののひとつに「演劇」がある。

小学校では演劇クラブだったし、5年生の時は「6年生を送る会」で披露する学年演劇の脚本を書いた。大学4年の文化祭でもなんちゃって劇団を立ち上げて脚本を書き役者もやった。とはいえレッズに出会うまで「現場に行くという発想がない」タイプの人間だったので、幼少期に母によく連れていって貰ったミュージカル系の舞台以外は、知り合いの劇団を見に行く程度だった。

ところが9年ほど前、インターネットである男性と知り合ったことで変化が訪れる。その方はレッズについてのブログを書いているサポーターだったが、同時に他のスポーツや演劇や音楽にも精通していて、1年のうちの大半を何かしらの現場で過ごしている猛者であった。その方が観劇の同行者を募集していて手をあげたのが出会いのきっかけだ。(ちなみに長塚圭史演出で松たか子主演の舞台だった。松たか子がマジで凄すぎたのも、完全に観劇の虜になった原因のひとつかもしれない)

とにかくこの方(以下、オジサマ)が異常に気の合う人だった。というか性別が違っていて15歳年をとっただけの、ただの私自身だった。出会ったその日に呆れるほど意気投合し、以降「私が好きそうな」芝居があれば誘ってくれるようになった。私にそっくりなオジサマが好きなものはすなわち私が好きなものなので、150%間違いは無い。今は私の収入が減ってしまい、そうたくさんは観劇できなくなったのだが、それゆえ厳選して誘ってくれている。

 

さて、数年前そんなオジサマから「絶対に君が好きな劇団がある」と言われ連れていって貰ったのが根本宗子だった。

先日、KAT-TUN上田くんが彼女の作品に出るといって話題になっていた、あの根本宗子である。

私より遥かに若い女性が作るその演劇を初めて見たとき、衝撃で震えた。あまりにも面白かった。観劇後酒を飲みながらオジサマに、いやほんとビビった、20代前半であんなもの作れるなんてどんな才能だよ、この人の舞台は絶対見たいからこれからも全部連れてって!とくだを巻き続けるくらい面白かった。それ以降、小さなバー公演以外は全て見てきてどれもこれも最高に面白かったので、上田くん出演という報が流れてきた時は「大好きな上田くんが大好きな劇団の舞台に!!! 」とめちゃくちゃびっくりしたし嬉しすぎて正直ちょっと泣いた。

 

がーーー詳細はここでは省くけれどもーーー彼女は一部の界隈からは毛虫のように嫌われているのでーーーうえだくんの舞台はうれしいしみたいけどあのおんなはだいきらいだからつらい、という苦悩に満ちたツイートをたくさん見て、単純にうかれてた自分が申し訳なくなった。そうだよなあ、そういう気持ちだったらつらいよなぁ……。

彼女が嫌われている発端となった舞台も私は見にいっていて、それはアイドル(クズ男)とそれを取り巻く「嫌な女たち」の話だったのだけれど(というか彼女の作品はたいてい「いやな人間」が出てくるのだけど)、あの、人間の嫌な部分をそのままストレートにくらってしまって傷付く人もたくさんいるのだとわかった。

個人的には、彼女が描くそういう「嫌な人」の姿を見ることで、結果的により人間が愛しく思えて大好きな気持ちになるのだけど、そういう作風に加え、後に起きた騒動(このへんわかる人だけわかってください)もあいまって、もう今彼女を苦手としている人は、彼女の作品のどの部分を見ても「嫌い」としか思えないんじゃないかなという気がしている。「面白いと思うかもしれないからとりあえず見てみては」って言いたい気持ちもあるのだけど、正直、無理しなくてもいいのでは……と。上田くんのことが好きで、上田くんに会いたくて行くのに、嫌な気持ちになって帰るの悲しいじゃないですか……。

 

そんなおりに見に行ったのが表題の「皆、シンデレラがやりたい」という舞台である。

mo-plays.com

タイミングというかなんというか、本作もアイドル(クズ男)とそのオタクの話であった。そして上田くんが演じるのも、何股もかけているクズなバンドマンの役である。

演劇のレビューは苦手なのだけど、善良なKAT-TUN担の方に辛い思いをしてほしくないので、行くのか行かないのかの判断材料の一端になれればと思い「こういった感じの芝居ですよ~」というものを書くことにした。ちなみに私が書かずとも、BSスカパー!で4月5日に放映されるhttps://www.bs-sptv.com/stagelegend/ので、百聞は一見にしかずであります。見られる環境の方は是非。

以下、完全にネタバレするのでBSでこれから見ようと思っている方はお戻りください。根本さんの舞台は後半で畳み掛けるような展開が面白いので、ネタバレを見ないで挑んだ方が断然楽しめるかと思います。

 

 

 

 

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 珍しく公式サイトに載っているストーリーからかなりの変更があったので、順を追ってつらつらと。

物語の中心はアイドル「一ノ瀬陸(りっくん)」の追っかけをしている40代女性3人。(しかしこの名前の付け方、色々もめた某ゲームと某ゲームから組み合わせているようで、このへんの嫌らしさも嫌いな人は大嫌いらしい 苦笑)

・夫のお金でお店(スナックバー)を持たせてもらい、バブルの頃はもっと羽振りよかったけどね~と言いながらそこそこ裕福な生活をしている女・神保(猫背椿)。

・金の出所は不明なものの大金持ち。シナモンのぬいぐるみを常に抱え、ロリータファッションに身を包むぶりっこおばさん・角川(新谷真弓)。

・独身、パート務め。生活が苦しいようで異常なまでの倹約家。趣味で市民劇団の活動をする女・榎本(高田聖子)。

 

舞台は終始、神保の経営するスナックバーで展開されていく。神保の店には夫の前妻の娘・ユイ(根本宗子)が出入りしている。店に来た榎本に対して、ビキニキャバクラという「割りの良いバイト」について語るユイ。母親譲りの貢ぎ体質で、自分で稼いだお金を男に使うのが最高に好き、という。好きなことするのに人のお金使うの、なんかカッコ悪いじゃん、私は自分が稼いだお金で好きなことしたいんだよねー、と無邪気に話す。そうよね、かっこいいね、と褒める貧乏人榎本。

続いてのシーンは角川と神保のふたり。裕福なふたりは、貧乏な榎本の度の過ぎた節約っぷりについて陰口を叩き、笑い者にしている。「あ~榎本さんの悪口言うの楽しい」「りっくんファンっていう繋がりがなかったら絶対仲良くしないタイプw」などといないところで言いまくる。ウッ……こういうのあるよね……オタク同士つるんでるんだけど裏では嫌ってたりするやつ……

とはいえ3人は「路上で歌ってた頃からのファン」であり、アイドルの追っかけをやるのは仲間がいた方が断然楽しいから、という理由でそれなりに仲良くやっている。

ある日りっくんのライブに行ってテンション高く帰ってくる3人。ペンラをふり、躍り狂い、MCのよかった点を再現し、ファンサを再現し「あれぜったい私たちにやってた!」とはしゃぎ、他のオタクを押し退けて掴んだ戦利品のタオルをハサミで切って分けて臭いをかぐ。あ~~~~~~自分達を見ているようで~~す。

 

ずっとガラケーだった機械オンチの神保がついにスマホへ機種変したので、Twitterをすすめる角川と榎本。「りっくんはね、毎日このくらいの時間にエゴサして、自分についていいこと書いてるツイートはいいね!するから」「エゴサされやすいように呟くのが大事」「わたしたちいつもりっくんにいいね!もらってるもんねー」などと教えてもらったもののどういうことだか全然わからない神保だったが、なんとか登録する。

しかし、それぞれTwitterを楽しんでいたところに事件が起こった。

三村まりあというアイドルの卵が、自らのTwitterでりっくんとのニャンニャン写真を流出させたのだ。恋人発覚にたちまちりっくんのTwitterも大炎上。

ただちに相手の女のことを調べあげる3人。まりあはメジャーデビュー間近のアイドルらしい。どうしよう!? りっくんだって今が一番大事な時期なのに! こんな女のせいでりっくんの将来が潰されるなんて許さない! 

『私たちがりっくんを守るのよ!!』

そう決意した3人は、不眠不休で三村まりあの誹謗中傷をインターネットに書きまくる。あらゆる粗を探して口汚く罵る。この女さえいなくなればりっくんは救われる、そう信じて、身を削って、三村まりあを叩き続けるのだ。

『正直、とても楽しかった。1つの目的のために結束して何かをすることに夢中になった。生きているって実感した』

ここは榎本の独白のシーンで、ニュアンスでしかセリフを覚えていないのが悔しいのだけれど、聞いていてウワーーーとなった場所である。こんな、こんなタイミングでこういう舞台見ちゃうの凄いな!?って。

 

というのも、私がこの舞台を観に行ったちょうど2日ほど前に、インターネットの片隅で自担の熱愛が発覚し、炎上し始めていたからである。

 

私のTLには全然そのような話は流れていなくて(というか今の今まで、私のタイムラインにその話題が直接的に現れたことは1度もない)、全然別のことを調べている時に本当に偶然その情報に行き着いたのだが、その時はまだ「いや、そんな程度で付き合ってるとか匂わせとかいうのはさすがに無理があるのでは…?」というものしか出ていなかった。しかし一部の人たちは既に批判用アカウントを取得し、躍起になってお相手の過去ブログをひっぱり、悪い評判を見つけ、叩いていた。よくやるなあ、と半目で軽く追ってみたのだがその中に少なからず「楽しい」「いま叩いてるうちらが本当のファン」「ついでに調子乗ってるファンのアカウントも潰そう」「正直もう小山のことはどうでもよくて、叩いてるこのアカウントの皆が面白すぎて最高」というような書き込みがあった。

 

寝る間も惜しみながら生き生きと三村まりあを叩き続ける3人の姿。榎本の独白を聞き、ああ、私が見たあの人たちは、こういう気持ちなんだろうなあと思った。目的意識があって、共に歩む仲間がいて、拡散という形で成果が出て。ドーパミンがドバドバ出ている状態なのだ。彼女らはそうやって、傷ついて抑鬱状態になってしまいそうなところを、薬に頼らず脳内物質を出すことで無意識に回避しているのかもしれない。全く意味がわからなかった彼女らの行動が「傷ついてどうしようもなくなった結果、炎上行為でドーパミンを出すことで元気であろうとしているのだ、本能的に」という解釈をすることで少しだけ理解できた気がした。だからといって肯定はできないけれど。これはまた後ほど。

 

脱線したので話を劇のあらすじに戻そう。

 

散々誹謗中傷を繰り返した結果、Twitterの位置情報を元に3人は特定され、三村まりあのマネージャーが乗り込んでくることになる。

僕もアイドルのファンだったからお気持ちはわかりますよ、しかし書き込みは削除して頂きたい、どうかこれでひとつ。と3人それぞれにお金を渡す。

 

今まであなた方がりっくんに費やしてきた金額をお支払いします、それで手を引いてください。と渡されたお金は3人バラバラ。一番金持ちでCDも1000枚単位で買ってきていた角川には数百万。貧乏でほとんど貢げてなかった榎本にはたったの2万円。

「私たちを馬鹿にしないで下さい!! お金の問題じゃありません!!」と怒る3人。

「正直あなたたち、訴えられたら負けますよ? そうしないで、しかもお金まで渡すというこちらの譲歩がどれほどのものかわからないのですか?」と正論で返すマネージャー。

(そうそう、訴えられたらあなたたち負けるよ? と心の中で同担に語りかける私)

 

そこに三村まりあ本人(新垣里沙)も登場する。

 

あれだけ叩いていた人間を目の前にして、黙り込む3人。

「どうしたんですか、あなたたちが散々、ブスだの死ねだの言ってた本人が目の前にいるんですよ。なんで何も言わないんですか。直接言えるチャンスですよ」

まりあが煽ってもただ無言で、気まずそうに目をそらす3人。

面と向かっては何にも言えないんですね。あなたたちがインターネットで散々あることないこと書いて攻撃してた相手が、実際に生身の人間なんですよ、生身の人間だって知らなかったんですか? というようなことを冷たく言い続けるまりあ。これはなかなか辛辣なシーンだった。脚本の根本さん自信が炎上した経験があるものだから、まりあのセリフがグサグサ刺さる! これ根本さんの実体験じゃねーか!

3人は「私たちは、あなたが流した写真のせいで傷ついて心が不安定になった。その不安定さを紛らわすためにああいうことをした」とようやく反論するが、

「自分の心が不安定だからって、あることないことで他人を攻撃していいと思っているのか。私はそのせいで不安定になった」などと返されぐうの音もでない。(この辺セリフあやふやなのが悔やまれる。ニュアンスです)

 

まりあは「あなたたちに話があって来たんです」と言い、なにやら大きな荷物を抱えている。

そしてまりあの口から、実はりっくんはアイドルの仕事の他にホストもしていること、それは角川のすすめであったこと、しかしりっくんは客やファンのことを財布としか思っていないクズ男であること、だからりっくんにこれ以上貢ぐのは金も時間も無駄ですよ。あの男の本性を何も知らないあなた方はかわいそう。貢いだものを私から返します。ということが告げられた。

角川が今までりっくんに渡していた大量のプレゼントを差し出すまりあ。

りっくんはアイドルゆえ接触は禁止で、直接プレゼントを渡せなかった。それを逆手にとり、抜け駆けするためにりっくんをホストクラブで働かせ太客として君臨していた角川。残る神保と榎本はたいそう怒り、抜け駆けした角川を敵として、三村まりあを味方につけようとするなど人間関係が二転三転する。結局神保と榎本もりっくんがホストをやっていることを知っており他のメンバーに内緒で通っていたことが判明。さっきまで「裏切り者!」などと散々お互いを罵っていたのに、全員同じ立場とわかった途端「なーんだぁ!私ずーっとこの話したかったのよホントは!」「ねえねえシャンパンタワーやった!?」「あのシャンパンタワーの時の歌が最高なんだよねー!」と、序盤にライブから帰ってきて盛り上がっていた時のように仲良く喋りだす3人にゾっとするけれど、こういうことあるよね…見たことある…と思う。

 

再び3人vsまりあになったところで、まりあの独白が始まる。

 

「みなさん、なんで私が彼との写真を自分で流出させたかわかりますか?」

「わかるわけないでしょ、どうせ捨てられたかなんかで復讐のためにやったんでしょ」

「違います。そんな、リベンジポルノなんかじゃありません。本当の理由があるんです。皆さんにはそれをお話したくて来たんです」

 

そうして語られた真実とは、一ノ瀬陸、りっくんが、いかに最低な男かという話だった。

 

りっくんはホストとして3人から貢いでもらったお金で風俗に通っていて、一香キララという風俗嬢に熱をあげて貢いでいる。そんな折まりあが妊娠するが、それを告げると冷酷に「堕ろせ」と言われた。そんなもん俺の子かどうかわかんねーだろ、とせせら笑うような、そんな、人間として最低なクズなのだと。

そんな酷い男だけれど、まりあはりっくんに執着していたから。この人はこんなアイドルとしてキャーキャー言われていいような人間じゃない、私の知っているりっくんはクズだ、クズなりっくんは私しか知らない。私だけのものなのだ。それを証明するために、りっくんがベッドで寝ている姿を流出させたのだ、と。

(個人的には、それって結局リベンジポルノと変わらないのでは?と思ったのけどなー)

 

 

まりあの独白が終わりシーンとする舞台に響くLINEの通知音。ピコピコ。

神保LINE『想像以上に重かった』

角川LINE『どうする?』

神保LINE『いやー……無理でしょ』

 

壮絶な話を聞いて、まりあへの同情の気持ちすら生まれ、完全にドン引きしてしまう神保と角川。すっかり幻滅し、追っかけをする気持ちは消えうせてしまう。

 

ここでただひとり、ずっと黙っていた榎本が、まりあを見つめて静かに口を開く。

 

「それであなたは、なにしに来たんですか?」

 

「?」という顔をするまりあ。

 

「私たちに、何を言いたくて来たんですか」

「だから、目を覚ましてほしくて。あなたたちの好きな『りっくん』は、追いかける価値もない人間だって忠告しに……」

 

「私たちのために、親切心で、そういうこと伝えにきたって言いたいんですか? はっきり言って、おせっかいです」

 

「さっきあなた、私たちが傷ついて不安定になった心を安定させるためにあなたを炎上させたことを責めましたよね。あなたがやってることも同じです。自分がりっくんとうまくいかなくて不安定になったからって、それを私たちに吐き出して安定させようとしてますよね。私はそれを聞いてただ不快になっただけです。おせっかいです」

「私はりっくんが、裏でどんな人間だろうが、どんなことをしてようが、そんなことはどうでもいいんです。りっくんに出会ってからが、今までの人生で一番充実してて楽しいんです。今まで何の楽しみも無かったしただ生きているだけだったけど、りっくんに出会って、質素に地道に暮らしてきたのはこのためだったんだ、このために生きてきたんだって思えたんです」

「心だけが繋がっている『ただの恋人』のあなたは、心が離れてしまえばりっくんとはなんの繋がりもなくなってしまう。お金で繋がっている私とりっくんの繋がりは、どんなことがあっても揺るがない。心しかないあなたよりずっと頑丈です」

 

榎本は、りっくんが本当はどんな人間だろうと自分にとってのアイドルである以上、キラキラした姿を見せてくれている以上、好きな気持ちは揺るがないと語る。

角川と神保に同意を求めるが、すっかり気持ちの萎えた2人はそんな榎本にもドン引きする。

 

「あなたたちのりっくんへの気持ちはそんな程度だったんですか!?」と怒る榎本。

あなたたちは、たくさんりっくんにお金を使って支えていたつもりかもしれないけど、やっぱり自分で稼いだお金じゃないからそんな程度なんですよ。私はあなたたちのようにはりっくんに貢げなかったけど、必死に必死に稼いで貯めたお金を費やしてきた。だから重みが違うんです。あなたたちが湯水のように使っている、人が稼いだ1万円と、私が11時間働いて稼いだ1万円は価値が違うんです。その1万円を使う気持ちの重みも違うんです」

 

 ホストクラブではシャンパンタワーを頼むと『僕たちのシンデレラ』と褒め称えられて皆で歌(コール)を歌ってくれる。ずっとそれが憧れだった。高額なシャンパンタワーをどうしてもやってみたくて、シンデレラがやりたくて、ずっとしまむらや貰いものの服を身につけ、皆に笑われながら貯金してきた。もうすぐその資金が貯まる。私の夢が叶う。その夢を壊そうとしないで下さい。おせっかいです。

 

 

 ここで、ずっと舞台上にはいたものの寝ていた神保の娘、ユイが起き上がる。

舞台冒頭、好きな男のためにキャバやって自分で稼いで貢いでるんだ~!と語り、榎本から「かっこいいね」と褒められていたユイは、榎本に対して満面の笑顔で「かっこいいよ!」と声をかける。そして榎本に、ホストクラブはツケで後払いができるから、シャンパンタワー、やりたかったら今すぐにだって出来るんだよ! と教えてあげる。

ものすごく嬉しそうな顔をしてホストクラブに向かおうとする榎本。ふと立ち止まり、目の前に脱ぎ捨ててあった神保のブランド物の靴を指差して言う。「あの、これ、お借りしていいですか? 角川さんから頂いたワンピース(一張羅にしている)に合う靴が無くて」

呆然と「…ああ、いいわよ、あげる。もうそれあげるわ」と応える神保。

「本当ですか! ありがとうございます!!」

自分の履いていたボロボロの、質素な靴を脱ぎ、ブランド物のヒール靴にそっと足を入れる榎本。

それはまるで、舞踏会へ向かうシンデレラが、ガラスの靴を初めて履いた時のように初々しく、幸福に満ち溢れていた。

 

それでは。と去っていく榎本。

 

残された神保と角川は、なにか憑き物が落ちたかのような空気になり、焼肉でも食べに行くかぁと言い出す。あんたも来る? とマネージャーを誘うと、行きます!とわんこのように着いてくる。現実の男にもかわいいのがいるのよね、などと言いながら和やかなムードで去っていく3人。

 

 残されたのは、まりあと、ユイ。

 

根本さんの舞台はラスト10分が毎回怒涛の展開なのだが今回もその本領発揮。

 

あくまでモブだと思われていたユイが、まりあに話しかけ始める。実は神保さんのTwitter位置情報をオンにしたのは私なの。すごい重い女だって聞いていたから、こういうことしたら絶対直接くるだろうなって思って! その顔見てみたいなーって思ってね。

そして、まりあが先ほど語っていた「一ノ瀬陸が通っている風俗店」の店名をあげ、自己紹介する。

「はじめまして~、一香キララです」

 

そう、りっくんが入れ込んでいた風俗嬢は、実はユイだった。

(そしておそらく、ユイが貢いでいるのはりっくんではないのだろう。神保角川榎本がりっくんに貢いだお金で、りっくんはユイに貢ぎ、ユイは別の男に貢ぐのだ)

 

自分が愛していた男は風俗嬢に夢中で、風俗嬢にとってその男は金を稼ぐ手段でしかない。しかもアイドルの自分がかなわないほどの美女でもない。

もっと圧倒的な相手ならまだよかったものの、なんでこんな女に。

我を失ったまりあは、ユイを撲殺する……

 

 まりあに殴られて血を噴き出しながら床を這い蹲るユイ。それを追いかけるまりあ。

2人が舞台の端と端に辿り着いたころ、突如舞台中央を照らすスポットライト。

 

そのライトの下にシャンパンタワーが現れ、華やかなホスト集団が20人ほど、ウェーイ!となだれ込む。

「シンデレラからシャンパンタワー頂きました~!」

ホストにエスコートされて登場する榎本。

角川から貰った高級ワンピースを纏い、神保から貰ったブランド靴を履き、綺麗に化粧をした姿で現れる。ずっとひっつめ髪で化粧っ気がなく、地味なチノパンを履いていかにも貧相だった榎本が、見違えるように綺麗になっている。

 『♪六本木で恋した~ シンデレラがいました~♪』

ホストたちが歌う中、笑顔でシャンパンを注ぐ榎本。タワーに注がれているシャンパンがキラキラしていて、まばゆいスポットライトの中央で綺麗におめかしした榎本の笑顔が壮絶に美しくて、私は涙を抑えることができなかった。

お金を払ってシンデレラを演じる榎本。その幸せそうな顔が本当にまぶしく光っていた。

 

 

 

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終演後、オジサマに「今回クズ男が出てこなくてちょっと寂しかったねw」と言われ、アッと思った。そういえばいつもは今回のりっくんのようなクズ男を「舞台上で」演じる役者さんが必ずいる。しかし本作はあくまでりっくんはそれぞれの女の話の中でしか登場しなかった(特大の写真は飾られていたけど)。いつもの根本さんの舞台なら、まりあとマネージャーと3人の修羅場の中にりっくんを放り込んでもおかしくない。

しかし後から考えると、実体としてのりっくんが登場しなかったことで、りっくんは最後まで「アイドル」であったような気がする。どんなにまりあがりっくんのクズぶりを語ろうとも、私たちが目にできたのは特大パネルのアイドル姿であり、それさえあれば榎本さんは美しく笑顔でいられたのだ。

 

 

 

 

    

 

 

さて。

ここまでおよそ1万字弱である。

私は基本的に人を否定しないし、嫌いと思うこともない。自分以外の人間は全て他者であり、他者の気持ちや正義は完全にはわからないからである。だから自分の考えと違う人間がいたとしても「それは間違っている」などと自己の正義を振りかざすことをしないように気を付けているし、自己の正義を押し付けてくるような人間のことは「この人はそういう人なんだな」と距離を置いている。

しかし今から私は、ある種類の方々を否定しようと思う。そんなことをするのは初めてなのだけれど。おそらく、その種類の方々はこんなブログにはたどり着かないし、もしたどり着いたとして、ここまでの1万字を読むこともないだろう。ここから先は、ここまで読んでくれた方のためだけに書く、私個人の考えである。

 

 

 

小山さんのあれこれの件である。

偶然こんなタイミングでこんな舞台を見たのも何かの縁だろう、ということで、小山さんの件について思うことは全部書いておくことにする。

最初こそよくある熱愛疑惑の炎上だった。相手の女性が匂わせてた!と騒ぎ、お揃いのものを持っているか探し、検証し、やはりクロだよ! というようなことをひたすらツイートする「愚痴アカウント」とやらが乱立して、恋人の存在を嘆きモヤモヤを吐き出している様は、まだジャニオタ歴2年の私でも幾度となく見た流れだった。

私はいちどだけ、大野くんのあれこれがあったときに、胸を痛めているTLの人を見かねて、アイドルと恋愛について感じたことをブログに書いた。

誰かを好きになる気持ちも苦しむ気持ちも - 桐ノ院整体院

 

その時書いた記事で一番伝えたかった部分を、少し長いけれど以下に引用する。

 

とても好きな洋服を扱うショップがあったとしよう。

そこの服はどれもこれも好みのもので、その服を完璧に着こなす美しい店員さんがいる。接客は素晴らしく人柄も素敵で、服を買うならそこのショップと決めている。

ところがある日、ノーメイクでボサボサの髪で、ジャージみたいなダサい服を着て、歩きタバコをしながらチューハイやビールの缶だらけのゴミを捨てに行く店員を見てしまった。

プライベートの店員は全くオシャレなんかじゃなかったけど、お店に行けば店員さんはいつでも完璧で素敵で、お店の服が可愛いのも変わらない。

時代の移り変わりで増減はあるだろうが、ショップのクオリティが変わらなければ、店員が裏でどんなにダサくたってそのショップのファンは減らないだろう。

 

でも、店員さんのダサい姿を見てしまったその日から、あんなに好きだったそのショップの服が、なぜか欲しいと思えなくなってしまった。デザインは相変わらず好きだなと思えるのに、輝いてみえなくなってしまった。

 

そういうことって、誰にでもあると思うのだ。あなたにもあるかもしれないし、私にも訪れる日がくるかもしれない。理屈じゃなく抗うこともできない感情の動きは、誰にだってあり得るし、それは決して悪ではない。

好きだったものを嫌いになってしまったり、今まで興味のなかったものを好きになったり、何かに対して心が動かされるということは誰にでも平等に訪れ、どの感情も、悪などではない。

 

だからアイドルが恋をするのも、それが公になるのも、そのことで誰かが心を痛めてファンではなくなってしまうのも、全部等しく、悪いことではない。全てが自然なことだ。自然にまかせて、流れていけばいい。

 

あなたたちのその感情は悪なんかじゃないよ。

 

ただそのことだけが言いたかった。

 

ここで例えた「ショップ」は自担グループ、憧れの店員が自担である。

私自身は、自担に恋人が発覚しようが結婚しようが何のダメージも受けない人間である。またアイドルにはどんどん恋愛も結婚もしてもらいたいと思っているし、恋人がいたらそれを公表してくれてもいいというスタンスだ。しかし世の中にはアイドルに恋人がいたときに立ち直れないくらい傷ついてしまう人がたくさんいるということも知っている。そこまでではなくても「恋人がいてもいいけど隠し通して欲しい」と考える人がかなり一般的であることも知っている。

あの時、胸を痛めている大野担について「自分が付き合えるわけじゃないのにショック受ける意味がわからないw」などと揶揄する言葉を幾度となく目にし、また大野担自身も「こんなにモヤモヤする私は心が狭いのかな……」という感じで悩んでいたように見えたので、ジャニオタ新参者ながら「そんなことないよ、感情なんだから仕方ない、悪いことじゃないんだよ、大人だとか子供だとか、心が広いとか狭いとか、そんなことではないんだよ」ということを伝えたくてこの記事を書いた。小山さんの件に関しても、マトモにショックくらって悲しんでいる方々が、しばらく騒がしくなるのは致し方ないな、と思っていた、最初は。

 

しかし、しばらくして様子が変わってきた。お相手の方の誹謗中傷が増え、審議不明の自称関係者の証言を元に人格攻撃が激化し、そのうち小山さんへの批判がメインになってきたのだ。小山さんが何かを語れば、書けば、その都度ネガティブな意味に解釈し「小山ってほんとにクズ」と嘲笑う。過去の発言も何もかも、悪意を持って受け止める。

私は芸能人がスキャンダルで炎上すると、騒いでる人達をリストで追いかけてそれをツマミに酒を飲むような性格の悪い人間なのだが、その私のゲスさをもってしても今回の件を燃やしている人達については「あ、だめだこの人達、触っちゃいけないレベルだ」と感じて、しばらくして追うのをやめてしまった。これは自担だから見ていられない、のではなく、にのちゃんの時も同じ気持ちに陥った。とにかく異常だった。異常なまでの個人攻撃は同じだが、にのちゃんと違うのは、小山さんの場合お相手の女性ではなく小山さん自身が激しく罵られていることだろう。

私のタイムラインでは誰もこの件に触れていなかった。NEWS担はさすがに把握はしているようだが、他担などは未だにそんな話があったことすら知らない人もたくさんいる。本当に一部の、せまーい世界で「炎上」しているだけなのだ。

こういう時に我々が選択できる最良の手段は「触れないこと」である。

週刊誌に撮られたわけでもなく、世間の人のほとんどが知らない。公になったとて、不倫などでもない、世間からしたら何の問題もないどうでもいい出来事だ。しかし触れば触るほど、彼女らは面白がって炎上作業に没頭し、うっかり反論してしまったいたいけなファンのことを「パッパラパーナ」「お花畑」「現実を見てない」と晒し者にして笑う。こんなところに触れたらだめだ、と、悪意を浴びすぎて胸焼けしたのでしばらく見ないでいたが、アルバムが発売になった折に再びリストを開いてみた。その種類の人達がアルバムについてどうとらえているか知りたかったからだ。

 

フォロワーさんの中には当然今回の騒動で心を痛めている方がたくさんいたし「しばらく慶ちゃんの顔が見られないし曲も聴けない」と言っている方も少なからずいた。だがアルバムが発売になり、NEWSが魂をこめて完成させた作品に触れたことで、あるフォロワーさんがこう呟いていた。

 

『私を含めたオタクや、はたまたオタクじゃなくなった人達がグダグダグダグダいってる間に、NEWSはこんなに素敵なプレゼントを作ってたんやで。ちょっと反省しちゃうな。これはNEWSを大好きなNEWS担と、これからNEWSを好きになってくれる人のために作られたアルバムやもん』

 

こんな素敵なプレゼントをくれるなら、もうなんでもいい。嘘かほんとかわからないことも、心ない言葉も、私はNEWSを好きなんだからどうでもいい、って思った。と、その方は呟いていた。私はそれを見て少しの間泣いた。ほんとにそう、ほんとうにそうだ。少数の、アンチと化した人達がたとえ誹謗中傷を休まず続けても、NEWSがNEWSらしく歌い踊るその圧倒的なボリュームの前ではノイズにすらならない。

 

それでも。それでもやっぱり、元々はファンだった人達なのだから。彼女らの負の気持ちが少しでも消えるに越したことはないのではないか。こんなにも人の心を動かすアルバムを聞いたことで、攻撃している人達も、人としての心を取り戻したかもしれない。そんなわずかな期待をもって再び爆心地を覗いてみた。

 

……彼女らは、慶ちゃんのソロの歌詞にお相手の名前が含まれていると騒いでいた。歌が下手だ、5分で書いたみたいな歌詞だ、飼い猫すら自分をよく見せるツールに使うクズだ、etc,etcと盛り上がっていた。

 

失望した。

 

そういうものを目の当たりにした直後、こんなaskを頂いた。

 

ask.fm

質問をした方の想定している「批判しているアカウント」がどういうものなのかはわからない。ただ仰っているように「小山さんのことが好きだから、モヤモヤする気持ちを吐き出して、気持ちに整理をつける」という行動はとても理解できる。(私自身、辛いことがあったら文章という形で外部出力することで心を整えるタイプだ)

多かれ少なかれ「愚痴アカウント」なるものは、自分の心を安定させるために始めるものだろう。 それについて否定する気は全くない。今でも、そういうアカウントもあるのだろう。

しかし、私が目にしたいくつかのアカウントに関しては、その存在を『明確に否定する』。

先に書いたように、私は自分の価値観や倫理観で他人のすることを「間違っている」などということはしないように生きてきた。しかしこれは「間違っている」と断言する。

このブログを書くにあたって、再度その類いのツイートを見てみた。

 

小山さんとお相手とされる女性のツーショット(自撮りではなく、他にも参加者がいると思われる飲み会で、きちんとテーブルに座って普通にピースしているだけの写真)が貼られ、『死ねよwwwwww』と書かれていた。

自称セフレとやらの情報をソースに、小山さんの性器についてや、性交についての侮辱が執拗に書かれていた。

貸し切りでパーティをしている最中の音声、とされるものを流して「絶対こいつら乱交してる」「薬とかやってるんじゃない」と憶測で罵倒していた。

その音声を文春などに送りつけていた(当然相手にされなかったようだが)

他の3人の邪魔だから早く辞めろ、と書いていた

そういった、アイドル活動と全く関係ないプライベートの部分を切り貼りして「現実見ようキャンペーン」などとタグをつけていた。

 

これは、普通に間違っていないか?  こんなことが「小山さんにまだ期待をしている、信じたいと思ってる」から書くことなのか?  アカウントを作って呟き始めた当初はそうだったかもしれない。しかしこれはもう、その目的を失っていると言わざるを得ない。

以前のブログに書いたように、ショックを受けたり怒りを覚えたりする「感情」は何も間違いではない。だがその感情を処理するために、他者を傷つけるような方法をとるのは、間違いだ、悪だ。と私は思う。

例えばどうしても幼女にしか恋愛感情を抱けない男性がいたとして、その感情自体はどうしようもないから悪ではない。ロリエロ漫画を読んで自分を慰めるのは悪ではない。しかし感情を抑えられず本物の幼女に手を出したらそれは悪だ。凄く好きな人に他の恋人ができて嫉妬する、その感情は悪ではない。しかし嫉妬のあまりストーカーをしたり中傷ビラを撒いたりするのは悪だ。これは私の価値観の問題ではなく、そういうことをするのは犯罪だと司法で決められている。「辛かったから、自分の心を守るために、やってしまった」では済まされない。犯罪者にならないためには、自分ではどうしようもならない感情を抱えたときに「他者を傷付けないような」解決方法を探さなくてはならないのだ。我々人間は。

というか一部の書き込みは普通に犯罪だからな。 ネットだから麻痺してるのかもしれないけど、やっていることは道端で中傷ビラを巻いているのと同じ。これがまだ、小山さんが重大な犯罪を隠蔽していて、それを公表する目的とかなら特例になるが、彼女らが躍起になって流布しているのは、ひとりの32歳男性が、恋人と海に行ったり、仲間と飲み会で盛り上がったりしている、ごくごく普通の姿なのだ。飲み会で異性と隣の席に座って、一緒に写真に収まることなんて誰にでもあることだろう。たとえそれが付き合っている相手だったとして、「死ね」と言われるようなことなのか?  アイドルとはそんなことすら許されない職業なのか?

 

そもそも、そもそもだ。頂いたaskにもあるように「信じたい」という言葉をたくさんの人が使っているが、私には「何を信じていて、何を裏切られたと思っているのか」がわからない。これは煽っているわけではなくて本当に検討がつかないので誰か教えて欲しいくらいなのだが、今回の一連の何が「裏切り」なのだろうか?

ひとつひとつ項目をあげて、今回の件について私の捉え方を述べてみるので、「その項目のこういう点が裏切りです!」ということがわかる方がいたら解説頂けないだろうか……

 

・発端は、彼女とされる方の存在が判明したこと。純粋に「慶ちゃんはアイドルなんだから彼女なんているはずがない!」と信じていた人が「アイドルのくせに彼女がいたなんて!信じらんない!裏切りだ!」となるのはわかる。しかし小山さんの場合「まあ彼女いるんだろうな……」と大多数が考えていたように思う。だからお相手の存在が判明しても「ああやっぱりいたんだな」としか思わなかった。

・「彼女がいるのはわかってたけど、アイドルなんだから隠し通すべき。隠せなかったことがアイドルとして失格だし裏切り」という意見について。それはもっともなように感じられるが、こういう事件がある度私はどうしても「いや、隠してたじゃん。隠してたけど、無理矢理暴かれたんじゃん……  本人の責任じゃなくない?」と思ってしまう。私が追った限り、最初はお相手とされるアイドルのグループの、2ちゃんねるの書き込みだったと認識している。「ジャニーズのKと付き合ってるらしいよ」というところから、彼女が小山さんの話をしているのを聞いたという自称関係者が続々現れ、ジャニオタの知るところとなり、お相手の方のブログを隅から隅まで探った。それで見つかったのがお揃いの量産型のグラスであったり、旅行のスケジュールが一緒(片方は仕事で行っていた)などの、証拠ともいえないようなものだった。ただそれで騒ぎが大きくなったことでふたりと近い人物からのリークが始まり、写真などがどんどん出てきた。この一連の流れに、当事者の落ち度があるとはどうしても思えないのだ。

お相手の方が言いふらしていた、という話も出ていたが本当かどうかわからないと思っている。アイドルの卵、というお仕事をされていたのだからそれは熾烈な競争社会だろう。たとえ本人がどんなに性格が良くても蹴落とそうとする人は必ずいるだろうし、そういう人が彼女のことを「性格悪くて有名だよ」などと書いて、さも真実のように出回ることもあるだろう。(彼女のことをかばっているわけでなく、ネットで見る他人の評判なんてどれも話し半分で聞くようなものだと思っているだけである)

・いやいやお相手の女、ブログで匂わせてましたよという意見。

わたし本当になんでも匂わせ匂わせっていう最近の風潮、くだらねーなぁと思ってるので……。2ちゃんの書き込みがあるまで誰も気付いてなかったものを、躍起になって掘り起こして、自ら匂い嗅ぎにいってるだけじゃないか、と思う。彼女がブログで匂わせてるんじゃなくて、わざわざトイレの扉を開けて必死に匂う場所を探しているみたいな行為をしているだけではないのかと。

・リークするような人を「仲間」としてつるんでた、人を見る目のなさに失望という意見。

まあ、これはわかるけどな……。特に今回お相手側関連からのリークが多いようだけど(小山さんのいつもの男友達はこういうことはしないタイプと思われる。だから気を許しているのだろうけど)、さっきも書いたようにお仕事的に恨みをかったりしやすいだろうしね……。でも我々だって、いつ何がどうなるかわからない。小山さんを叩きまくっている人がいつか結婚する時とかに、今回叩きまくっているアカウントのスクショが相手に送られて「あなたの婚約者、こんなことをする人間なので考え直した方が良いですよ」なんてやられちゃう可能性だって、無くはないのだ。一概に「見る目がない」とバカにするのは気の毒に思える。

・旅館貸し切りでパーティしてたのに失望、という意見

実はこれが叩かれてるのが今回一番理解できてない部分で……。なにがだめなの???  (出回ってる音声が本物だと仮定して)ちょっとエロい王様ゲームしてたのがダメなの??  だって皆、Kらじで王様ゲームしてるの聞いてたでしょ? あれと同じノリで、友達と飲んでるだけでしょう。

しかも一般人の目に触れないように、貸し切りにするなんてアイドルの鑑じゃないか。クローズドで行われるウェーイ系の飲み会に嫌悪感がある人もいるだろうけど、小山さんがパリピなことなんてみーんなわかってたことじゃん。いつもいつも一緒に遊んでて、ついに同じマンションに住むようになったという男友達も、医者や弁護士でお金持ってるパリピなんだろうなとしか思ってなかったよ。(ちなみにそういうお金持ってる層のパリピ飲みってウェーイって騒ぐときは騒ぐけど、意外にマジメだからな!?  女の子とエロいことになったりはなくて、仕事の熱い話とかかなりするから。貸し切りパーティってだけで乱交とかセフレとかいう単語を出すの、ひどい話だよなぁと思う)

・メンバーの悪口とか超言ってるらしいよ!人格がクズ!メンバー愛とか言って私たちを騙してたんだ! という意見。

今何を受信しても悪意を持って解釈する人達が、勝手に翻訳した「悪口」を広めているだけだと感じている。そもそも言葉も文章も、悪くとらえようとしたらいくらでも出来るものだ。だから家族や親しい友人間だって「そんな風にいったつもりじゃないのに」という「誤解」が生まれる。

例えば私が、夫のことを「B型で自己中なんだよね~ でも私もB型で自己中だからいいかげんな者同士気が合うんだよ(笑)」と誰かに話したとする。その話を聞いた別の誰かが言葉の表面だけとりあげて「梓さん普段旦那さんのこと好きとか言ってるけど、裏では自己中でいいかげん、って悪口言ってたよ」と広めるようなものである。人の発言などというのはかくもたやすく他の意図に翻訳できるのだ。増田さんとの不仲説の時もそうだったが、わざわざ悪い方悪い方に解釈する人達というのは必ず一定数存在する。そういう人達の目と耳には、もうそういう風にしか見えないし聞こえないのだから仕方ない。人間関係の本当のところなんて本人にしかわからないのだから、私たちは自分の目に映る、自分がとらえている彼らの姿を受け止めるしかないのだ。これを読んでいるあなた方の目には、彼らはどう映っているだろうか。裏では悪口を言っていて、表面は仲良しのフリをしているだけに見えるだろうか。私は、たいていのことは「見たまんま」だと思っている。何かのファンになるとどうしても「あの発言にはこんな意味が」とか「あの行動の裏にはこんな思いが」などと邪推してしまうが、わりと真実は「みたまま、言葉のまま」で単純なことが多い。私は自分の目に映るNEWSが、単純で、単純に、大好きだ。

 

長々と項目をあげたが、やはりこれらが「ファンへの裏切り」に繋がる因果関係がわからないのだ。全ての項目を最大限に悪くとらえて、小山さんが裏では彼女がいてセフレもいて乱交してメンバーの悪口を言いまくっていると仮定しても、表で彼が、NEWSが見せていてくれる姿は変わらず素敵なのだから、なにひとつ裏切られたりしていない、としか思えないのだ。「小山さんを信じたい」という言葉が、小山さんの何を信じたい、のかがわからない。私の信仰している小山さんは、NEWSとしてコンサートをしたりTVにでて、メンバーと一緒に楽しそうに笑ったり、苦手な歌を頑張って歌ったり、踊ったり、NEWSとファンのことが大好きだよって言ってくれる小山さんだ。プライベートで何をしていようが、私に見せてくれるその世界に何一つ変わりはない。何一つ裏切られてないし、迷惑も被っていないし、NEVERLANDという素敵なプレゼントまで与えてくれている。

叩く人は「現実を見ろ」と繰り返すが、私はまぎれもなく現実を見ている。自分の目に映る、確かな、実体としての、NEWSを見て、それを愛しいと思っている。彼らが見せないように努力して隠しているものを噂や憶測だけで膨らませて「これが現実」と言っている人達のほうが、虚構ばかりを信じて目の前の、現実にいるNEWSを見ていないような気がする。

 

先に引用したように、好きなアイドルグループを好きな服のショップに例えたとき、ショップの裏側を見たのがきっかけで急にそのお店が魅力ないものに思えてしまうことはあるだろう。そのこと自体は仕方ない。だからといって、変わらずそのショップを好きな人に「このショップはクズの店員が働いてるんですよ!そんな人が売ってる服を有り難がって着るなんて、現実を見てないってことですよ!目をさましてください!」などと言うのはお門違いだ。いや私ここの服好きだし店員のプライベートとか興味ないんでほっといてください。おせっかいですよ。としか言えない。

「そんな店員のいるショップ、行く価値ないですよ。ほら良く見たら数年前から同じような服ばっかり! 作りが荒いところもあるし、向上心もないし、客をバカにしてるに決まってますよ」というようなことを言われても「このお店は確かに完璧ではないですが、ちゃんと毎年顧客のこと考えて業務を改善する努力をしているように私には見えます、実際今年の新作もとても素敵で気に入ってます。これを良いと思えなくなったのはあなたの心の問題であって、お店側の落ち度ではないので、他のお店で買い物をすればよいだけなのでは?  という気持ちである。

 

 

私はNEWSが好きだ。

だからNEWSを好きな人が好きだ。

 

とはいえ、たとえば今回みたいに、NEWSを悪く言う人が現れたときに、ギャンギャンと否定する人は苦手だ。NEWSを好きなあまり、自分の価値観にそぐわない人のことを批判したりバカにしたりする人のことが苦手だ。アンチも信者も、いきすぎるとどちらも気持ち悪い。

 

 

 

わたしは現実を見ていたい。というかわたしの目に映るのは現実しかない。

わたしの目に映る現実のNEWSは、普通の男の子が、アイドルとして生きるのを決めて、どたばたとして、努力して、努力して、その結果5万人にほほえむ覚悟を身につけた、そんな愛しい人達だ。

 

 

その愛しさが目に見えなくなったのなら、なにもかも悪くしかとらえられなくなったのなら。

それはもう。むり、なんだ。きっと。

寂しいけれど。

いつかまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の件で余計あなたたちへの信頼が増したよ。

アイドルでいようとするあなたたちの優しさと不憫さのために、わたしはお金を払いたい。ありがとう。ごめんね。ありがとう。

どうか。アイドルとしてだけじゃなくて、人として、幸せでいてほしい。